オーストラリア旅行の目的はエアーズロック。
時に「地球のへそ」とも表現される巨大な一枚岩。
高さは350m近くあり、東京タワーよりも高さがあります。
中央部のサバンナ~砂漠気候に近い場所にあり日中の最高気温は40℃にも達するため、
外出時は1リットル以上の水を持っていくことが義務付けられています。
エアーズロックの名で知られる世界最大の一枚岩ですが、
歴史的・文化的背景もあり一時期はオーストラリア政府が管理していましたが
現在は先住民族のアボリジニに返還され、彼らが土地の所有権を持ち
儀式などを行う特別な日や時間帯には観光客は周辺に近づけません。
また、呼び方もアボリジニの「ウルル」という表現が正式名称になっています。
気象条件が良ければウルルに登山することができますが、
オーストラリアの中央部は風を遮るものがないため、大抵は強風を理由として登山禁止になる場合が多いようです。
風が止んだとしても午前9~10時頃になると同じく登山禁止になります。(登頂の頃には気温が40℃近くなるため)
ガイドから聞いた話では、直近1カ月の間で2回しか登山可能な日がなかった というくらいレアなようです。
ウルルはアボリジニにとって聖地であるため、本来は観光客に足を踏み入れられたくないというのが本音ですが、
観光収入に頼っている部分もあり事情は複雑なようです。
ガイドからも「登山は可能だが、彼らに配慮してできるだけ登らないように」というコメントが何度かありました。
登山をする場合はルートが決められており、そこからはみ出して足を踏み入れてはならないという決まり。
ウルルは赤い岩の塊で周囲の砂も同じ色をしていますが、この付近の土地は鉄分を多く含んでいるため錆びて赤くなります。
登山ルートは踏みならされているため酸化した岩肌が削られ灰色になっています。
最大斜度は30~40°にもなりかなりの急斜面。
そのため、登山ルートの最初の100mには敢えて手すりやロープなどが設置されておらず、
「無理だと思ったら危険だからやめろ」という意思表示だそうです。
ウルル周囲は一部ですが散策コースになっており、かつてのアボリジニの生活の痕跡を見ることができます。
TVなどで全体像はよく目にしますが、近づいた映像を見た記憶がないので興味津々。
強風による浸食も多く、削られてホールのようになって声が反響する場所は集まって歌を歌う場所、
低くせり出した岩がある場所は壁画を描いて子供たちに物事を教えた場所、
雨水が貯まって泉になっている水場など興味深く見学しました。
ご存知の方も多いかもしれませんが、ウルル周辺は非常にハエが多く夏の時期は 大 量 に 発生します。
日本のハエと異なり向こうのハエは顔をめがけて突っ込んできますので、鬱陶しいことこの上ない。
土産物屋で見かけたカップホルダーには写真付きでオーストラリアを象徴するものとハエの多さを揶揄して
「1つの岩、1つの鉄道、1つの渓谷、1,000億のハエ」というのがあり、思わず苦笑してしまいました。
岩の赤さと空の青さのコントラストがとても綺麗でした。