神話の世界で、強く完全な健康体を授かったアキレスのたったひとつの弱点は踵でした。
アキレスが誕生したとき、アキレスの不死身を願った女神は、彼の踵を掴んで、不死身の海にぽちゃりと浸けます。
ところが、女神の掴んでいた踵だけ不死身の海に浸かることができなかったので、その部分=アキレス腱だけが彼の唯一の弱みとなり、失墜の元となるのです。
この神話の意味するところはなんでしょう?
身体の最も弱い部分とは、ひるがえって全身を守ってくれる第一関門といえるのではないでしょうか。
スカラヴェッリによれば、踵は脊柱と同一線上の、われわれの頼りとなるべきポイントです。
木の根になぞらえれば、人体と地面が重力によって初めに接触する場所なのです。