ひとの身体は左右対称ではありません。
アーユルヴェーダの操法を受けたことがある方はご存知だと思いますが、
うつ伏せになった身体の両脇に施術者がふたり立ち、ほぼ同時にマッサージを行います。
済むと仰向けになって同様のことが行われます。
私が経験したのは、スリランカに暮らしていたころで、一日を通し、一月を通し、一年を通しての高温多湿から逃げようもなく、インド洋から立ち昇るもうもうとした水蒸気に二十四時間おおわれていました。
ときおり激しい頭痛になやまされ、アーユルヴェーダを試してみました。
ローカルの方たちはむしろこの伝統に懐疑的であったように思います。
独特の濃いオイルをおでこの真ん中、今思えばアジナ・チャクラの部分にぽたぽたと垂らしながら二人がかりのマッサージが行われ、終わるとハーブの湯船に浸かります。
頭痛に効いたか効かないか、よくわかりませんでしたが、激しい頭痛にいてもたってもいられない自分はなにかをしなくてはいられませんでした。
ヨガをしていて、左右に同じ刺激を与えることがアーユルヴェーダと共通だ、と感じます。
しかし、身体を左右対称に見せる、ということではありません。
ただ、ヨガを通じて、左右の肩の高さ、骨盤のバランスが整うことがあるのは事実です。
三角のポーズではっきりするのは、両肩、両腕の高さや伸びに差がなくなるということです。