柚木麻子の「その手をにぎりたい」と言う本を読んだ。
バブル期を背景にOLの板前に対する純愛が描かれていた。
最初、あまりヒロインが好きになれなくて、
しらけた気分で読み進めていたのだが、
ヒロインがだんだん図太くなっていき、
途中から感情移入しすぎて涙目で文字を追っていた。
でもね、これ・・・バブル経験していないと、
つまらない本に思えるのでは?
実際、感想も「イマイチだった」が多い。
だよね?
でも私には痛いほどヒロインの気持ちがわかる。
嫁に行き遅れた女性がバブル世代に多い。
これもね、本当によくわかる。
だって足が地についてないんだもん。
いまだにバブル引きずっている人多いよ?
まず、トレンディドラマの影響。
そのためダサイ彼氏はノーサンキューだった。
例えば彼氏の条件として・・・
神戸の湾岸線をドライブし、ボートハウスのカフェでランチとか、
夜景の見えるレストランでディナーとか、
そんな素敵なデートで楽しませてくれる人。
かっこいい車を持っている人。当時、ユーノス・ロードスターが流行っていた。
大企業に勤めている人。
テニス、スキーが上手で、
話題が豊富。会話も楽しい。
そして誕生日に花束を用意してくれる。
こじゃれたイタメシ屋やワインバーを知っている。
よく気がつく人。(車にひざ掛けが用意してあるとか)
ま、こんな感じかな。
言っとくけど、バブルの時よっ!バブルの!!
今じゃ時代遅れだけどね!
でもこんな石田純一みたいな男性になかなか出会わない。
いるわきゃない。
なので、
デートが生駒山だったり、
車が家族共用のカローラだったり、
ディナーがロイヤルホストだったり、
スポーツよりも競馬に興味あったり、
誕生日のプレゼントが民芸品であったり、
なんかね、「ダサッ!」って思った瞬間、
もうありえねーって感じで、付き合うのやめたことが多々ある。
相手は一生懸命プランを考えてくれだろうに、
そんな気持ちもおかまいなしに、
「こいつはトレンディじゃねーな」と
私は不機嫌になったりしたものだ。
ホント!昔の自分を殺してやりたい。
いや、殺すと今の私がないから、鼻血出るまで往復ビンタだね。
フルボッコって言うやつ?
思えばあの頃の恋愛ってゲーム感覚なんだよね。
相手の本質を全然見てない。
上っ面だけ。
優越感を満足させてくれるかどうかが彼氏の条件。
でもね、バブル期はそんな女性ばっかだった。
メディアの影響が強すぎた。
そんな中でも浮かれずに地に足のつけた女性だけが、結婚できた。
「え?あんなダサイ人と結婚?いいの、それで?」って
友達が結婚するたびに、心の中で思った。
あーー”(-“”-)”当時の私ってクソだなっ!!
そんなクソ女がいい中年になってさ、
今どきの若い人をディスったりしてんのよね。
反省しなきゃだな。
私に比べたら今の若い人たちの方がよっぽど真面目に生きてるわ。
25歳なのに私ってば6件のスナックにボトルキープしてたよね。
週末はよく暴れ飲みしてたよね。
合コンで飲み過ぎて人事不省に陥ったこと何度もある。
千鳥足で裏通りを一人で歩いたこともある。(なぜか靴が左右逆なの)
レイプされなくてよかった。奇跡かも。
いや、手を出すのも怖かったか?
とにかく、もうね若い時ほどバカなことを考えて、
バカな失敗した方がいい。
20代ならギリ許される。
わがままいっぱい生きてよ、ほんと!
とりあえず、私程度の中年でおさまるからさ。
私以下はないよ、きっと。安心して!
バブルのおかげでおバカな人間が量産されたけど、
彼らたちは夢だけは今も持ち続けているし、
どこかに楽しみを見つけようとしている。
バブルは決して負の遺産じゃない。
あの特殊な時代を過ごせた私は本当に幸せだと、
今なら思う。