山岳ガイド赤沼千史のブログ

山岳ガイドのかたわら、自家栽培の完全手打ち蕎麦の通販もやっています。
薫り高い「安曇野かね春の蕎麦」を是非ご賞味下さい

ジャンダルム撤退

2013年07月24日 | ツアー日記

 西穂山荘に泊まって朝4時半にジャンダルムに向けて出発はしたものの雨は止まない。独標までたどり着いて風も強まり撤退を決めた。岩は滑りやすいし、日本海に梅雨前線が停滞し何より気温が低い。この状態で3,000メートルの稜線縦走はとても無理だ。何かトラブルがあれば、低体温症などの死の危険が待っている。明日、明後日と回復の期待も薄い。まあこんなこともあるさ。

 だが、雨の日は緑が綺麗だ。ドロドロの下山道の脇で写真を撮る。僕は雨の上高地が大好きだ。家が近いから、以前はわざわざ雨の日に出かけたりした。川霧にけむる梓川はなんとも落ち着くし、水は音もなく流れる。

キヌガサソウ 凛としてゴージャス

蝋細工のようなサンカヨウ

エンレイソウ

梓川

 上高地からの帰りに稲核にある蕎麦屋「わたなべ」に立ち寄った。お客さんと帰る場合はいつもここへ寄る。婆ちゃんがやっている。盛りそばの大盛りを注文し、お客さんが蕎麦掻きを2つ頼むというので、量が多いから一つで充分だと伝え蕎麦を待つと、いつものことだが、頼みもしない物がどんどん出てくる。つる菜のお浸し、サニーレタスのサラダ大盛り、黄色い唐辛子の煮付け、稲核菜のつけもの、それともう一つなんだっけかなあ。笑。夏は野菜が採れすぎるので特にその傾向が酷い。酷いってうれしい悲鳴なのだけど、以前ここら辺の蕎麦屋はこんなところが多かったが今は希少。絶滅危惧店である。僕的には蕎麦つゆが薄めで若干気に入らないが、蕎麦は粗挽きでうまい。しかも、盛りそば450円である。お客さんはぶったまげて大概ハイになる。わかり辛いところにある迷店である。是非探してたどり着いて頂きたい。