山岳ガイド赤沼千史のブログ

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新屋公民館

2014年09月04日 | 安曇野の暮らし

 僕が暮らす安曇野市穂高有明の新屋地区にある「新屋公民館」。地元の人には密かに話題になっているのだが、この公民館、実は鉄道模型の規格であるNゲージのジオラマ用のプラモデル・・・・「公民館」のモデルになっている。鉄道模型を走らせる人達は、軌道の廻りに街や田や山やトンネルなどを作ってリアルな雰囲気を出そうとする。それをジオラマというのだが、その公民館がこれなのだ。

モデルというか、うれしくなっちゃうほどソックリそのまんま。切石で組まれた基礎の形状や、建具のデザイン、雨樋、電気メーターの位置に至まで忠実に再現されている。モデラーのこだわりが伝わってくる。

しかもこの公民館、数年前文化庁の有形文化財にも登録されたのだ。
だから「新屋公民館」は数多ある日本の公民館の中で「THE KOUMINKAN OF KOUMINKAN」と言うことになる。

15年ほど前にこれを壊して建て替えようと言う話が持ち上がったのだが、我ら新屋住民は無反応・・・・・・何故なら、負担金が大きいから。
「敬老会しか使わない建物に、何十万も出せるか!ボロのままでいいわ。」
と言うのがその理由で、結果、ジオラマに選ばれたし、有形文化財にもなったし愛でたし愛でたしというところ。

建設は昭和30年頃と思うが、板張りの外観は昔の木造校舎を思わせる造りで、ポーチには洋館の雰囲気があって、水色のペンキが塗られた建具もそこはかとなくモダンである。しかも建物内には立派な舞台と映写室もあるのだ。
村人がここに寄って映画会などもやってたんだろうなあ。
そう言えばそれは農繁期だったと思うが、僕が小さい頃ここにあった仮設託児所に預けられていた事を何となく覚えてる。

以前ここで音楽ライブをやったことがあったが、僕の天敵のジジイが乗り込んで来て
「お前、誰に断ってここでこんなことやってんだ!」
と言うことがあった。何とか会場外で追い返して事なきを得たが、そのジジイとは今でも天敵関係は続き、あやつが死んだら赤飯でも炊こうと半分マジで思っている。
公民館はどんどん使わなくちゃね。その為の映写室や舞台なのだから。

決して豪華な造りではない。椋鳥や雀が巣を掛けるようなそんな公民館だ。ここでまたライブもやってみたいし、「ニュー・シネマ・パラダイス」なんか上映したらハマリ過ぎだと思うのだ。大切にしたいと思う。

写真を交互に見比べてるとどっちがどっちか解らなくなる・・・・・・・んなわけねーか(笑)