先日の西日本豪雨のころ仙丈ヶ岳のツアーに出かけ北沢峠にバスで到着してびっくりした。
北沢峠は標高2,032mの南アルプス北部にある峠で、甲斐駒ヶ岳や仙丈ヶ岳への登山口となっていて、両側から斜面が迫り針葉樹の巨木に囲まれた谷間のような場所なのだが、その中心に船窪型の地形がある。
そこにはなんと、一面のクリンソウが!
ただびっくりしたのはそれだけではない。
なんとなんと、よく見ればその船窪地形には連日の大雨で水が溜まりそのお花畑の半分ほどが水没しクリンソウが水中花となっているではないか!
なんじゃこれ!である。
クリンソウは日本原産のサクラソウ科の多年草でどちらかというと湿り気のある環境を好んで生育する。
これだけのクリンソウのお花畑に遭遇したのも初めてだったが、それが水中花とは。
しかも水没したクリンソウは、おそらく彼らの本意ではない環境に於かれているにも関わらず、凛としてなんとも美しい。
果たしてこのクリンソウ達は無事に実をつけることが出来るのだろうかと心配にはなるが、実に珍しいモノを観ることが出来た。
あちこち色んな季節長い間山を歩いてきたが、初めて出会うものってまだあるんだなあと思ったのだった。