竹心の魚族に乾杯

Have you ever seen mythos?
登場する団体名、河川名は実在のものとは一切関係ございません。

11/08/06 渓流竿遍歴の果てに

2011年08月06日 21時27分35秒 | 渓修行
前の晩に寝ようとして目を閉じていたら、やり取りの時にひと節分縮めれば(ズームアップの逆で)、先調子気味の竿でもそれなりに魚の走りを封じ込めることができるんじゃないかとひらめくものがあり、それだったら高弾性でバットがビンビンの星煌峰が使えるなと気がつきました。明かりをつけてガサゴソやっていたら、もう時期的にそんなに釣れないだろうし、ボウズ逃れのために、超小針を持ってったほうがいいじゃないかと。ここ2年位使っていなかった特殊な針の1号が出てきたのでこれをベストに投入して再び仮眠。


駐車場到着5時ですぐに着替えて釣り場へ。まずは先日見付けた餌場に直行し、餌採り。やはりこの時期にしてはたくさん採れ、午前中分ぐらい確保。途中の切通しでは水がたくさん出ていたけど、こちらの水量は平水?決して、多くはない感じ。

そしてカーブのポイント。まずは手始めに先週使った仕掛けそのままで餌を付けます。まず手前を流してみて反応がなく、次いで対岸を流してみますが、すぐには来ず、何度も流してようやく流れ方に変化が現れ、上げてみると腹部だけを残してかじり盗られています。
このマル秘針3号でも食いが悪いとなると、これはもう昨晩思い出した渇水用の例の針を使うしかないよなあ、などと考えますが、ひとまずここはカツイチV長良LTR 7.5号に換えて様子を見てみます。

それでやっぱり良くない感じだったので、例の特殊な針の1号を装着。小針ですのでチモトを2本撚りにします。場荒れしたポイントは捨てて、ひたすら先へ先へ。
流れが狭まったポイントで、手前から流していきますがまるっきり反応がなく、もう駄目かと思ったら突然入り波で水中がギラッと光ってヒット。下流には走られず、上流へ向かっていったので、やれやれと安心したところ、急に手応えがギリギリと何かに擦れるような感触に変わります。やばい。流木だと気付きましたが、ここで為す術もなくハリスがブチン。

どうやら針は1号で良さそうなので、気を取り直して新しい針を結び直し、先へ先へ。
そして落ち込みのポイント。流れ具合からして、確実に何か入っているなとの予感とは裏腹に、全くの無反応。ドラグを掛けてみたりしますけれども、どうも目印の動きがよくなく、ぎこちない感じ。の穂先が硬いので、渇水時の微弱な波にうまく同調せず、餌が暴れ過ぎている感じです。これは完全に第一段階での竿の選択ミスなのですが、ともかくもガン玉を8号に落とし、糸ふけを作って仕掛けを張ったり緩めたりしながら何とか同調させます。すると、岩の手前で目印がフッと止まり、合わせるとグリグリグリ~と錐揉みしながらバックしていきます。慌てて竿を立てると、一呼吸置いて水面から飛び出しますが、もうそこはガンガンになっていて、仕方なくそのままかなり強引に飛ばしますが、タモには入らず後方へ。バタバタしてるのを慌てて取り押さえます。ハリスは切れておらず、針は口の内側の薄皮に掛かったまま。これは確か与一マが書いていたと思うけど、こんな掛かり方で抜いても大丈夫なんだなあ、と関心。またこういう強引な勝負ができるのも朱紋峰ならではだと思います。セッパリの22cmでした。

そして再び上流へ向かいます。凌は、仕掛けの投入と引き抜きにはいいのですが、今日の渇水気味の緩い流れにうまく馴染まない感じで、流速の落ちてしまった淵ではうまく流れてくれません。魚がいないのか、それとも見破られているのか。たぶん、見破られているのでしょう。今日の食い方は餌に向かってアタックしてくる感じではなく、何度も見送ってから、食べやすそうな流れ方をしたときに餌に付いて下っていき、もうこれ以上下るのはかったるいなあというスポットでフッと食い直す、そんな感じです。

大きいやつはともかく、小さいのなら1尾か2尾、確実にいるはずというポイントがいくつかあるのですが、やっぱりスルーです。先行者の足跡らしきものも見当たらず…。

しばらく進むと荒瀬帯で、その急流の中に先日ばらしたポケットがあります。期待して流すと、数投目でチクッと小さなアタリ。で餌を付け直してまた数投目にチクッと。うーん、何が悪いんだろう…と考えますがこっちは万全を尽くしているはずだし、どうにもなりません。そしてまた数投目で、今度はカツンと鋭い感触があって乗らず。で、その後はお決まりのまるっきりの沈黙。これはもう、このまま頑張っても無理と結論し、ひとまず撤収。腰までドボンと水に浸かって鮎タイツを冷却してから杣道を上がっていきますが、それでも林道に戻る頃には汗が噴き出してきます。

そして竿を昨晩思いついた星煌峰に持ち替え、新たなポイントへ。

陽射しが強く、餌箱の中のヒラタもくたびれてきているので、まっしぐらに本命ポイントを目指し、竿を伸ばします。この竿はここ1~2年渓流では使っておらず、鮎の餌釣り用として大事に保管してあったもの。というのも高弾性カーボンで折れやすい上にパーツ代も高く、足場の悪い渓流で使うのはいささか気が引けてしまうというのがその理由。しかももう一つ特別な理由があって、元々チューブラーだった穂先を手製のソリッドに換装してあり、そのソリッドというのが、0.45mmという限界まで削り込んだものだということ。当然のことながら、丁寧に扱わなければ折れてしまいますし、新たに削ろうにもちょうど合う材料が売っていないのですから困りものです。まあ、もっとも渇水していれば大体は4.5mで行きますからね。

さてその星煌峰は5.3mですから、先ほどの仕掛けを継ぐと手尻が朱紋峰5.1mより20cmほど短くなり20cmほどといったところ。これでガン玉8号にして振り込んでみると、見事にスルスルとポイントに。天井糸を2m取っているので、手尻は20cmあっても大丈夫な様子です。仕掛けの馴染み具合もばっちりで、目印がふわふわ空中に漂うように、釣れそうな感じの流れ方。

手前から奥へと流していきますが、表層~中層では食わず、最後に対岸寄りの筋で底波に入れた瞬間に目印が止まります。竿を立てますがガッとフッキングした感触はなく、唐突にファイトの感触が伝わってきたのでバレそうですが、どうやら大丈夫そう。不思議な感触です。水面にガバッと姿を現しましたが完全に糸を巻いていたので抜けず。その糸がほぐれるように竿尻を下げてためていると、首振りは驚くほど少なく、かといって下流に走る気配も見せないため、ズームダウンせずにそのままやり取りします。そして上流に向かって泳ぎ始めたので、背後に回って上からテンションを掛け、流芯を横切らせ、タルミに誘導してネットイン。針は上あごに掛かっています。さすがアクティブサス、おとなしく寄って来ますね。いい練習になりました。


そこから先、風が強くなりガン玉を6号に上げて釣り登りますが、ぴくりともしません。良さそうなポイントが3箇所あるのですけど、全て反応なし。

期待が外れ、足取りも重く最後の徒渉点を渡ろうとしますが、流れが変わっていて渡れません。仕方なく戻って渡れる場所を探し、何とかギリギリ渡ることができました。

そして最後の有望ポイントなのですが、これまたどうしたわけか全くの無反応。陽が照っているというのはありますが、それにしても…。新しい餌も補充したし、仕掛けは絶好の流れ方をしているだけに、納得がいきません。

そこでその辺のチャラ瀬をお遊びで流して帰ろうと、適当に振り込んで流していると、突然、流れ方が急にゆっくりになったと思ったら…釣れちゃいました。

やっぱり手応えが良かったんで、抜かないで背後に回り込んで泳ぎ渡らせて、タルミに誘導してネットイン。星煌峰のしなやかさが渇水期の釣りにベストマッチで、魚がダッシュしたくても助走をつけられないし首も振れないという感じで、今回もズームダウン不要でした。


やっぱり上あごの中程に掛かっていますね。


この位置に掛かることを与一マは「カマに掛かる」と形容していて、外れにくいのだそうです。
与一マが使っていたのが改良ヤラズの4号。細糸時代となってはもはや小針とは呼べませんけど、この針だとアマゴの鼻先に掛かるのではなく、左右にやや下がった位置に掛かるといいます。で、今日使用した針が超小針なのですよね。このことが関係あるのかどうか。
自分で削った超やわらかい穂先なので、合わせはちょっと遅れ気味になりますけど、反面、くわえている時間も長いわけで、それでちょうど帳尻が合うのかも。それで針が飲まれないのだから感心します。もっとも、穂先が柔らかすぎて、早合わせで「掛けた」という実感はありません。ワカサギ釣りで上からグーっとテンションを掛けて、魚が反転してから合わせるスタイルに似てるといえば似てますね。まあ、「ガツン」がないというのは、物足りないといえば物足りないのですが。
よく穂先が柔らかいとアタリが大きく出ると言いますけど、活性が高い時に穂先が硬い竿で釣るとパシッというひったくる感じのアタリが出ますし、活性が低い時に柔らかい竿で釣るとアタリはおとなしくて小さいです。見逃さないようにしないといけません。

しかしながら魚が素直に言うことを聞いてくれるというのは大きなメリットです。やり取りのスリルはなくなりますが。鮎釣りでも一時期ソリッド釣法というのが話題になりましたけれども、あれってもしかしてこういうことだったのでは?という気もいたしましたね。





ともかくもいろんな収穫があり、大満足の一日となったのでありました。



[時間]5時半~14時
[水温]17度ぐらい?
[釣果]22cm♂、20cm♂、20cm♀
[道具]竿:シマノ朱紋峰凌5.1m、がまかつ星煌峰5.3m、天井糸:東レトヨフロンEX 0.6号2m、道糸:ライカ川釣り0.3号3.2m、ハリス:0.25号0.3m、オモリ:ガン玉8号1個~6号2個、針:(ナイショ)1号。
[胃の内容物]腹パンパン。陸生昆虫比率70%ぐらい?

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