竹心の魚族に乾杯

Have you ever seen mythos?
登場する団体名、河川名は実在のものとは一切関係ございません。

劇的な効果

2009年05月22日 | 竹田家博物誌
グルタミン、やっぱり凄いです
今まで肩や腰を伸ばしたりひねったり、ストレッチをするとポキポキ音がしていたんですけど、まったく、鳴らなくなりました…。
関節と筋肉が柔らかくなりますね、明らかに。

そしてさらにさらに、筋力もア~~~ップ♪
これがあの、筋肉グリコーゲン効果でしょうか!?
これって馬刺しやカボチャをまとめて食べたときの感じとすごく似てると思うんですけど~違うでしょうかねっ??

なぜか魚の刺し身を大量に食べてもこういう感じにはなりませんね~残念ながら…


さてこのグルタミン、一つだけ欠点があるとすれば、肌がいくらかポッチャリすることですね。
ですからムキムキのゴリマッチョになりたい人は肉・魚もたくさん摂るようにして、スジスジの細マッチョになりたい人はジョギングをしてとにかくたくさん動かすことでしょうかね~。


さて、グルタミンに関して、面白い情報があります。

「微生物の共生系」(学会出版センター)というちょっと古い本なのですが、こんなことが書いてあります。


アブラムシは昆虫の通常の窒素老化物である尿酸を全然排出しないばかりでなく、尿酸を体内に蓄積することもない。抗生物質処理によって共生体を除去しても、この状況はまったく変わらないことからみて、そもそも、この昆虫では尿酸を生成する代謝系が退化してしまっているものと思われる。アブラムシの体外排出物のことを甘露という。


シロアリは腸の中に特殊なバクテリアを飼っていて、それで木質を消化して栄養に変えているということが分かっていますけど、ゴキブリ・アブラムシは、腸ではなくて共生体というバクテリアを取り込んだ細胞を持っているというのです。そしてその共生体は、不足した窒素源を補うとのことです。

ちょっと話は変わりますけど、サクラエビは自分の出したアンモニアによって死んでしまうそうで、生のサクラエビが食べたいグルメな人は自分で由比まで行かなくてはなりません。
(自分だったら排泄物まみれの水槽に入れられても死ぬことはないと思いますが、、、、たぶん発狂すると思います)

ところが最近、このアンモニアを除去する装置を開発し、トラックで活きたまま運べるようにした人が現れたそうです。

さすがですね~自分にはそういう商才はありません

私たち哺乳類は小便、つまり尿素を放出しますね。ところが鳥や昆虫は尿酸です(う~ん微妙…)。これについてはとても上手にまとめているサイトを見つけましたんで、こちらをお読みください。
それにしてもエビみたいにアンモニアの形で窒素を排出する生き物がいる一方、「窒素」(N2)として空中に排出する生き物がまったくいないというのは本当に不思議ですねっ。

さてこのアブラムシが昆虫のくせに尿酸を全然排出していないというのはどうしてなんでしょう。

アブラムシは植物の汁を栄養源としていますが、フンをする代わりにお尻から甘い汁(これが「甘露」ですね)を出してアリに食べさせて守ってもらっていますね。

これは石川統さんという方(現・放送大学教授)が以前行っていたアブラムシに関する研究の一部なのですが、本当に面白いのはここから…。


さまざまな飼育条件下で排出される甘露に含まれるアミノ酸の組成を分析することを通じて、筆者らは最近、アブラムシの有機窒素再利用系の鍵を握っているのがグルタミンなどのアミノ酸であることをつきとめることができた。
師管液のアミノ酸を調べると、一般にグルタミンの組成比の高いことがたいていの植物に共通した特徴である。重窒素標識したグルタミンを与える実験から、アブラムシはこの多量にあるアミノ酸を使って、他の足りないアミノ酸を合成する能力を持つことが示された。このとき利用されなかったグルタミンは排泄されるが、甘露に含まれるグルタミン中の重窒素濃度は、はじめに与えたものよりもずっと低くなっていた。この結果、アブラムシが単に師管液中に余分にあったグルタミンをそのまま捨てているのではなく、体内でも多量のグルタミンを生成していることを示唆している。


…ようするに、アブラムシの体内を回った窒素分が、最終的にグルタミンのアミノ基として排出されているということでしょうか。

重窒素標識というのは、放射性同位体というものを利用して、体内での元素の動きを追うテクニックですね。


事実、グルタミンを含まない合成培地で買ったときにも、アブラムシの甘露にはかなりの量のグルタミンが含まれていた。一方、アブラムシから細胞内共生体を除去すると、グルタミンを基質として合成されるアミノ酸の種類が著しく減るとともに、グルタミンの排泄量が増大することが明らかになった。
これらの結果を総合して考えると、アブラムシの窒素老化物はグルタミンであり、余分な有機窒素はこのかたちで排泄されるが、このアミノ酸は同時に有機窒素再利用系の出発物質にもなっていることがわかる。このとき、アブラムシ自身の代謝系では、グルタミンからいわゆる不可欠アミノ酸を合成することはできず、細胞内共生体の代謝系が存在するときだけ、それが行える。


いや~日本にも面白い研究する人がいるんですね~。
アブラムシの体の中には特殊な微生物が住み着いていて、この研究の後に「ブフネラ」と呼ばれることになるんですけど、このブフネラが一役買っているというわけなんですね。

そして、このような窒素源としては、グルタミンだけでなく、アスパラギンも同じように利用されているとのことですが、ブフネラはグルタミンという単一のアミノ酸からアブラムシ必要とする全てのアミノ酸を賄うことができるということなんですね。
まさに、「アミノ酸スコアなんて関係ないぜ」って感じ。

アブラムシのブフネラみたいに全種類のアミノ酸を賄うというのは特殊なケースですけども、グルタミンを出発材料として別な種類のアミノ酸(トリプトファンとか)を作るというのは、普通の大腸菌とかでもすごくありそうな気がします。


ところで、アリマキ(アブラムシのこと)からもらったグルタミン、アリ達はどうしてるんでしょう??気になりますね~。



最後に実際に共生している細胞の画像を紹介します。
もう、共生というよりも、ワタシ、感染してます!って感じで
無数のバクテリアに埋め尽くされていて、今にも破裂しそうな感じにも見えますが…
撮像

「シンビオニン」というのは、アブラムシの体内では合成できず、共生する微生物だけが合成することができる特殊なタンパク質だそうです。これを上手に利用して、特殊な方法で染めると、ブフネラを電子顕微鏡で撮影することができるというわけですね。
ブフネラは腸ではなくて共生のために発達した器官の特殊な細胞の中に住んでいるのだそうです。


さて、ちょっと待てよ、、摂取するのがグルタミンで、排泄するのも同じグルタミンということになると、、、食べる必要ないじゃん!?




アブラムシに関して、もっと詳しい情報は、「JT生命誌研究館」内の
アーカイブ生命誌32号(HTMLとPDFがある)


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