港町のカフェテリア 『Sentimiento-Cinema』


献立は…  
シネマ・ポップス…ときどきイラスト

映画音楽史(251) 『荒野の用心棒』 1965年公開

2014-10-06 01:45:00 | 映画音楽



『荒野の用心棒』 Per Un Pugno Di Dollari (伊) 1964年制作
監督 ボブ・ロバートソン (セルジオ・レオーネ)
音楽 エンニオ・モリコーネ
主演 ジョー … クリント・イーストウッド
    マリソル … マリアンネ・コッホ
    ラモン … ジョン・ウエルズ
主題歌 『さすらいの口笛』 ( Titoli ) 演奏・エンニオ・モリコーネ楽団

黒沢明監督の『用心棒』を無断でアレンジ、マカロニウェスタンブームの火付け役となったイタリア製の西部劇。
1872年、ニューメキシコのサン・ミゲルの町はロホ兄弟とモラレス一家という二つの勢力による横暴がまかり通っていた。
そこへにポンチョを着たアメリカ人のジョーが現れてモラレスの四人の手下を一瞬の早撃ちで倒した。ジョーは一時ロホ
兄弟に歓迎されたが、町民が二つの勢力の対立に苦しんでいるのを知って彼等を一掃しようと決意する。その一計として
ジョーはロホ兄弟の弟のラモンが横恋慕しているマリソルをモラレス一家に引き渡して対立を激化させ、モラレス一家を
全滅させる。、しかし、すべてがジョーの企みだと知ったロホ兄弟はジョーに凄惨なリンチを加えた。命からがら脱出した
ジョーは棺桶屋に身を隠して回復を待っていたが、ロホ兄弟は逃げたジョーをおびき出すために町の広場でジョーが親しく
していた酒場の親父にリンチを加える。ジョーはロホ兄弟を倒すためポンチョの下に鉄板を忍ばせて広場に姿を現す。

主題歌の『さすらいの口笛』はエンニオ・モリコーネの作曲によるもので、彼はこの曲で一躍映画音楽家として脚光を
浴びました。ギターのアンサンブルと澄んだ口笛そして 男性コーラスが郷愁を誘い、レコードも大ヒットしました。
なお、この演奏で口笛を吹いているのはアレッサンドロ・アレッサンドローニです。

↓はエンニオ・モリコーネ楽団の『さすらいの口笛』 YOUTUBEより




映画音楽史(250) 『黄金の男』 1965年公開

2014-10-05 02:56:36 | 映画音楽



『黄金の男』 Echappement Libre (仏) 1964年制作
監督 ジャン・ベッケル
音楽 マルシャル・ソラール
主演 ダヴィッド … ジャン・ポール・ベルモンド
    オルガ … ジーン・セバーグ
    フェルマン … ゲルト・フレーベ
    マリオ … エンリケ・マリオ・サレルノ
主題歌 『黄金の男』 ( Echappement Libre ) 演奏・サウンドトラック

ジャン・ポール・ベルモンド主演の冒険アクション映画で、原作はクレト・コロネルの推理小説。
密輸組織の運び屋のダヴィッドは組織のボスであるフェルマンから300キロの金を運ぶように指示される。ダヴィッドは
仕事仲間のオルガと目的地のベイルートに出向く。しかし、純金をそのまま運べないので、車体を純金で仕立て塗装
することで一般車と見分けがつかないように細工して運ぶことになった。何とか車を船で輸送し目的地に着いたが、
陸揚げする時に車がクレーンから落下、ガソリンに引火して車は燃え上がり塗装は剥げ、高熱で純金が溶けていく。
ダヴィッドもオルガもフェルマンも黙って事態を見つめるしかなかった。

主題歌の『黄金の男』はマルシャル・ソラールの作曲によるもので、映画では、タイトルバックの他、船上のシーンや
車を運転していたダヴィッドがオルガを置き去りにするシーンなど全編で使われていました。
レコードとしてはタイトル・バックで使われた女性グループのスキャットによるサウンドトラック盤があったように記憶
していますが手がかりもなくどうしても見当たりません。

↓はマーシャル・ソラール楽団の『黄金の男』 YOUTUBEより



60年代ポップス変遷史 1960年12月

2014-10-04 01:56:24 | 60年代ポップス変遷史

1960年12月にはこんな曲が流行していました。

太陽がいっぱい サウンドトラック
グリーン・フィールズ ブラザーズ・フォー
はるかなるアラモ ブラザーズ・フォー
マイ・ホーム・タウン ポール・アンカ
グッド・タイミング ジミー・ジョーンズ
イッツ・ナウ・オァー・ネヴァー エルヴィス・プレスリー
初恋のブルース バック・クレイトン楽団
月影のキューバ セリア・クルス
G.I.ブルース エルヴィス・プレスリー
若者のすべて サウンドトラック
ビキニスタイルのお嬢さん ブライアン・ハイランド
恋の汽車ポッポ アルマ・コーガン
⑬ホワイト・クリスマス パット・ブーン
君こそすべて ニール・セダカ


ブラザーズ・フォーが強いですね。『グリーン・フィールズ』は12月第3週に堂々のベストワンに輝き、
『はるかなるアラモ』は12月第4週から8週連続でベストワンを独走しました。

また、9位にプレスリー・ファンが待ち望んでいた映画が完成 (公開は翌年1月) したこともあって、その
主題歌の『G.I.ブルース』が入ってきました。いよいよ歌に映画にと本格的な活躍の始まりです。

パット・ブーンの『ホワイト・クリスマス』ですが、クリスマス時期ということで12月の第3週にベストテンの
第10位にランクインしています。以後もクリスマスになると毎年恒例のようにベストテンに登場しました。

↓はパット・ブーンの『ホワイト・クリスマス』 YOUTUBEより


もう少し年配の方になるとパット・ブーンではなくビング・クロスビーなのでしょう。
でも、60年代ポップスの黄金期としてはやはりパット・ブーンですね。


参考までに1960年の年間ベストテンが発表されていますので紹介しておきます。

①太陽がいっぱい サウンドトラック
②死ぬほど愛して アリダ・ケッリ
③恋の片道切符 ニール・セダカ
③ローハイド フランキー・レイン
⑤グリーンフィールズ ブラザーズ・フォー
⑥悲しき16才 ケーシー・リンデン
⑦夏の日の恋 パーシー・フェイス楽団
⑧渚にて ジミー・ロジャース
⑨星空のブルース ベルト・ケンプフェルト楽団
⑩マイ・ホーム・タウン ポール・アンカ



映画音楽史(249) 『ジョニーはどこに』 1965年公開

2014-10-03 00:34:43 | 映画音楽



『ジョニーはどこに』 D'ou Viens-tu Johnny? (仏) 1963年制作
監督 ノエル・オワール
音楽 エディ・ヴァルタン
主演 ジジ … シルヴィー・ヴァルタン
    ジョニー … ジョニー・アリディー
    マルセル … ダニエル・コーシー
    ジャンゴ … ピエール・バルウ
主題歌 『ジョニーはどこに』 ( Il N'a Rien Retrouve ) 唄・シルヴィー・ヴァルタン

南仏カマルグ地方の高原を背景に、シルヴィーとジョニーのコンビによる歌ありアクションありの青春映画。
ジジたちとバンドを組んで演奏活動をしていたジョニーは、クラブ経営者からある鞄を運ぶように言われた。ジョニー
は鞄に何が入っているとは知らなかったが警察に尾行されているのを不審に思って中味を川に捨ててしまう。実は
ジョニーは知らないうちに麻薬の運び屋として利用されていたのであった。クラブ経営者の相棒のマルセルは鞄が
空っぽなのに激怒、ジョニーは身の危険を感じて南仏に逃げる。ジジもジョニーを探しに南仏へ、それをマルセルが
追いかけた。ジョニーは父親の友人のジャンゴの助けもありジジと再会し、マルセルは警察に追われて事故死する。

主題歌の『ジョニーはどこに』はジョルジュ・アベール作詞で、作曲はエディ・ヴァルタンとA・ルグランの共作です。
作曲者でもありこの映画の音楽監督でもあるエディ・ヴァルタンはシルヴィ―の実兄です。

Il a marche le long des rues
Le jour, la nuit, comme un perdu
Dans cette ville il a marche
Pour retrouver
Um amour qu'il n'a jamais pu oublier
Des amis qui, aujourd'hui, sont maries

↓はシルヴィー・ヴァルタンの『ジョニーはどこに』 YOUTUBEより

(残念ながら聞くことができなくなっています)

映画音楽史(248) 『ある晴れた朝突然に』 1965年公開

2014-10-02 00:34:58 | 映画音楽



『ある晴れた朝突然に』 Par un Beau Matin D' Été (仏) 1964年制作
監督 ジャック・ドレイ
音楽 ミシェル・マーニュ
主演 フランシス … ジャン・ポール・ベルモンド
    モニク … ソフィー・ドーミェ
    ゼルダ … ジェラルディン・チャップリン
    デルモ … ガブリエル・フェルゼッセイ
主題歌 『ある晴れた朝突然に』 ( Par un Beau Matin D' Été ) 演奏・オリジナル・サウンド・トラック

ジャン・ポール・ベルモンドのサスペンス映画で、原作はイギリスのジェームズ・ハドリー・チェイスの小説。
フランシスとモニクは悪い環境で育った不良兄妹である。二人はボスのクレイマーが企てた身代金目当ての誘拐の一味
に加わった。ターゲットはスペインに住む富豪のアメリカ人の娘ゼルダである。モニクの手引きで誘拐は成功し、画家の
デルモの屋敷に軟禁して父親に身代金を要求する。そんな最中にもかかわらずフランシスとゼルダに愛が芽生える。
やがて身代金の受け渡しをめぐって仲間割れが始まって銃撃戦となり、モニクは死んでしまう。ボスのクレイマーも逮捕
され、フランシスはゼルダを父親のもとに帰らせる。

口笛とギターによる哀愁をおびた主題歌の『ある晴れた朝突然に』はミシェル・マーニュの作曲によるもので、サントラ盤も
彼の楽団の演奏によるものです。レコードとしてはサウンド・トラック盤とオリジナル・サウンド・トラック盤の二種類が出回り
ましたが、日本ではトランペットを加えたオリジナル・サウンド・トラック盤でヒットパレードを席巻しました。
映画ではミシェル・マーニュらしいジャズ・ビートのスキャットも聞くことができます。

↓はオリジナル・サウンド・トラック盤の『ある晴れた朝突然に』 ニコニコ動画より