日曜日の夕食時を揺れが襲った。19日の午後6時19分頃、茨城県の潮来市や千葉県の東金市などで最大震度4を記録する地震が発生した。これまで数々の地震を事前予測してきた電気通信大学名誉教授の早川正士氏は、今回もその予兆をつかむことに成功。近いうちに「東京も含めた3地域で新たな揺れが起こる可能性がある」と注意を呼びかけている。

 「3・11」から来月で丸6年を迎えるが、その直前での不気味な揺れだった。千葉県東方沖の海底約60キロを震源にしたマグニチュード(M)5・4と推定される地震は、茨城、千葉で大きく揺れたほか、夕刊フジ編集局がある東京・大手町でも震度2を記録した。

 独自の技術で地震の前兆現象をつかみ、自らが主宰するインターネットサービス『予知するアンテナ』(会員制)で情報を発信してきた早川氏は、13日発行の夕刊フジで「18日までに東北地方の南側から千葉北部にかけて、陸上ならM5・0、海底ならM5・5前後。最大震度は宮城、福島、茨城、千葉で4程度。東京、神奈川では最大震度2」と警鐘を鳴らしていた。

 発生日は1日ずれたものの、地震の規模、震度、場所ともにほぼ的中。改めて予測の精度の高さを印象づけた。

 その早川氏は近日中に次の地域で地震が起きる恐れがあると指摘する。

 「いずれも27日までの兆候だ。東北地方で震源が陸上、海底ともにM5・0前後、青森、岩手で最大震度3程度。東北地方の南側から千葉北部にかけて、陸上ではM5・0前後、海底ならM5・5前後。福島、茨城、千葉で最大震度4程度。東京、神奈川では最大震度2程度。九州、沖縄にかけて陸上ではM5・0、海底ではM5・5、最大震度は4程度」

 早川氏は「実際に起きる地震の規模は、予測を上回ることもある」と付言する。3・11を前にいま一度、防災意識を高めたい。

 【早川氏の理論】地震が起こる約1週間前、前兆現象として地殻のヒビ割れが起こる。このヒビが電磁波を発生させ、地球上空の電離層に作用する。電離層は通常、上空60キロメートル〜800キロメートルに存在するが、電磁波の影響を受けると地上に数キロメートル近づく。地上から送信される電波は電離層ではね返り、再び地上で受信されるため、異常があった場合は、電波の送受信がいつもより短時間で行われることになる。各地の観測所で得られた結果から地震の震源地と発生時期を予測している。