「細長い!」太陽系外から飛んできたペンシル型天体「オウムアムア」
ヨーロッパ南天天文台(ESO)とハワイ大学の観測チームは、太陽系の外部から接近中の小天体をとらえたと科学誌『ネイチャー』に発表した。この小惑星は、推定400メートルと細長く、秒速38キロで弾丸のように木星に向かって進んでいるという。
この小惑星は、先月19日、ハワイ大学天文研究所が4台の望遠鏡を使ってとらえた天体で、当初は「A/2017 U1」と呼ばれていたが、このたびハワイ語で「長い時間をかけて最初にたどり着いた使者」を意味する「オウムアムア(Oumuamua)」と名付けられた。
ハワイ大学の研究チームによると、オウムアムアはやや赤みを帯びた灰色の岩と金属で構成されており、長さは400メートル。幅はその10分の1程度と言う細長い形状で、水や氷はもちろん、周囲にはチリなどの微粒子もまとっていないことから、彗星のように尾を引いて光り輝くこともなく、何億年もの間、どこの星系にも属さずに天の川銀河をさまよっていた可能性が高いと言う。
今年9月9日には、太陽のほぼ真上から水星軌道の間を目指して飛び降りるような角度で太陽に最接近。その後は太陽の下を潜り込むように進み、先月14日に地球から2400万キロの距離を通過した。
今月1日に火星の軌道を通過し、20日現在は、地球から2億キロ離れた宇宙空間をペガサス座の方向に向かって時速38.3キロで進んでいて、来年5月には木星軌道を通り過ぎ、2019年には土星の軌道を超えて、太陽系を脱出する見通しだ。