「音みる(音のみるふぃ~ゆ)」ブログ...♪

100名を超える音楽教室「音のみるふぃ~ゆ」のレッスンノート。また3人娘の子育て日記。

うちの子レッスン日記10

2005年08月22日 | 私の足跡…
 「ピアノばかり弾けてもだめなのよ。」
高校時代のピアノの先生にこう言われて、私は心の底から安心した事を覚えています。その頃、通っていた音楽教室は、まわりがそれこそ小さい頃から英才教育ばかり受けてきたエリートばかりでした(というか、そういう人達がとても目立っていたのでしょう)。だから、今のまんまじゃダメなんだ、もっともっと弾かなくっちゃならないのに私ってば何してるんだ?と高校生の私は焦るばっかりで、練習してもへたっぴな演奏に打ちひしがれるばかり。で、もうやめてしまったら楽なんだろうなぁ..と少なからず考えていた時期でした。ピアノに対する意欲がなくなれば、練習する気も当然失せる、どの曲も急に色褪せて聴こえてくる、別に弾けなくったって私にはもう関係ないもんねっという風に‥。その気持ちは、先生に伝わってしまったんだろうなぁ。

 私は特別上手、という気になった事はそれまで一度もなく、進度もやたらと早くにエリ-ゼを発表会で弾いてしまった友達に比べたら、まるでゆっくりしてました。それでも「ピアノの音は気持ちいいなぁ」「好きだなぁ」という思いだけで充分だったんだろうと思います。「エリ-ゼの為に」もいつか弾けるようになればいいなぁ、という感じできっとすごくマイペースだったんでしょう。だから音楽の方に進みたい、と先生に打ち明けてから、あまりに速いペースで進み出したので、その目まぐるしさについていくのに必死でした。音楽教室に入ってからは、それこそカルチャーショック、大好きで上手な人がいっぱいいてこれはおもしろい!!と厳しいレッスンにも関わらず、せっせと弾いていたのです。そういう時は、おもしろいように伸びるしまわりも評価してくれるんですよね。問題はその後、周りと比べ始めてしまった自分、そして自分に対する自分の評価。弾きたいと思えない‥というのは、かなりショッキングな事でした。その時期にこの先生に出会えた事はとても大きな事だったと思います。そして、高校生になるまで、そんな事考えた事もないくらいマイペースだった私にも笑っちゃいますが、逆に自分なりにいろいろ考えられる年齢だった事が幸いでした。

なんでも早いうちが本当にいい事なのか、たまにわからなくなります。
ピアノとその子の縁をどうやっておばあちゃんになるまでつなげてあげられるか、私も二人の娘を持つ親として、考えてしまう今日この頃。