ここを上手に乗り越えよう
「たまにおこずかいを稼げばいいや」という気持ちではなく、継続的に月額30万円、50万円、100万円と稼ぎたい人は次の事に気をつけたらいい。
(主婦の副業で年収100万円が目標でも、いつかライフワークをものにしたいと考える人も同じである)
1.甘い言葉には乗らない
2.起業までのプロセスと注意点は3つ
3.自己成長を常に意識する
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順に説明しよう。
1.甘い言葉には乗らない
世の中に甘い言葉と話は散在しているが、本物に甘い言葉も話もない。
何故なら市場競争があるからである。
収入のある事業とは、目のつけどころと実力勝負だから、相手が強ければ負けて売り上げが伸びない。
目のつけどころとは、そういう競合が居なければ勝てるというケースなどである。
それでも普段から力をつける努力をしていないと、ある時から痛い目を見る。
表現を変えてみよう。
例えば実力の点で言うと、
・あなたもすぐに起業できる
・好きなことで起業できる
・あなたの得意を売りなさい
などのキャッチフレーズは「条件つき」と理解しなければならない。
つまり空白の市場に打って出れば初期は勝てる。
しかし顧客を増やしていくと次第に実力がある相手に負けるのである。
すぐに起業できるの類も、起業は誰でもできるから間違いではない。
しかし経営は別だ。
売るもの売り方を絶えず工夫しなければ、すぐに市場競争から脱落する。
継続して安定利益を得るには、経営マインドと普段からの努力が必要である。
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2.起業までのプロセスと注意点は3つ
起業へのプロセスとはざっと下記の4点に分けられる。
1)起業のきっかけ
2)学びと修行の期間
3)見通しと決断
4)実戦
注意3点とは次の事を言う。
① きっかけを上手につかみ、充分に実力を身につける事。
② 何をやろうと自由だが、要は成功するか否かだ。
③ 理に適った経営決断を行う。勢いだけの一発勝負はかけない。
順に説明しよう。
① きっかけを上手につかみ、充分に実力を身につける事。
ビジネスチャンスは至る所にある、と昔から言われている。
至る所にあるなら、世の中には成功者で溢れているはずである。
直線的にそうはならない理由はこうだ。
・ビジネスチャンス(きっかけ)とは、起業しようとする人の持てるものと、外部環境の何かの化学変化である。
・それは面白い!と思っても(化学反応があっても)事業として成り立つか、はまた別である。
出来るだけの情報を集め、自分で試してみなければわからない。
いける手ごたえがあれば十分な実務経験を積む先へ駒を進める事。
・何回も試した後、事業計画書を練り上げてみる。
その上で収支の見通しが立つなら前へ。
立たないのなら手掛けるのは危険である。
② 何をやろうと自由だが、要は成功するか否かだ。
・事業計画書が練り上げられても、実務経験を踏むまでは本物とは言えない。
・しかも成功者は一度決めたらモーレツな努力を注ぎ込む。
・方向は3つあって
売るものを磨くこと
売り方を磨くこと
自分自身を磨くこと
であり本人はそれへの興味が尽きなくなる。
事業選びは恋愛に例えると分かり易い。
一目惚れもあるが、何気なく触れ合っているうちに恋心が芽生えることも珍しくはない。
その結果として、
・好きこそものの上手なれ
・惚れてしまえば千里も一里
となる。
早いか遅いかはともかく、惚れるとは十分に相手を理解することだ。
③ 理に適った経営決断を行う。勢いだけの一発勝負はかけない。
・理に適った経営決断には、判断材料として事業計画書を充分に練り上げることが必要となる。
・無理がある場合にはまず実績はついて来ない(まぐれ当たりは稀にあるが、続くことはない)。
・決断は社長の仕事である。利益責任も同じ。
・準備や考える事が面倒くさくなって、大金を一発勝負にぶち込む人もいる。
爽快感は得られるが、これは必ず負ける。
加えてひとつ述べておこう。
・上手に滑り出せばよいが、「これは間違った」と事業を始めてから気づく場合も少なくない。
・これを挽回するには、もう一度「決断」の前まで戻る必要がある。
君子豹変せよ。
これだからお金をかけない起業が勧められる所以である。
この道は明治生まれの大実業家によっても勧められている。
その本「私の行き方」から抜粋してみよう。
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私はこれからの道は、経費がかからないで、自分の一寸した注意、一寸した発明、一寸した工夫で商いの出来るものを、皆が選んでゆくように希望する。
経費を沢山かけないということを最後まで頑張りとおす人が最後の勝利を得る。
大概の人は少し良くなると欲が出て、こうもしたいああもしたいと思って経費をかけ過ぎる。
これからの人は売り上げの増加に努力するよりも、寧ろ経費をかけないことに努力すべきである。
これからやってゆく人のモットーは実はここにある。
余り経費をかけ過ぎると、いわゆる今までの小売商と同じ憂き目を見ることになってしまう。
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(小林一三:こばやし いちぞう、1873年(明治6年)1月3日 - 1957年(昭和32年)1月25日))
※ 阪急電鉄をはじめとする阪急東宝グループ(現・阪急阪神東宝グループ)、宝塚劇場の創業者。
続きは次回に述べることにしよう。