ペースダウンで「じわくり戦略」
コロナウィルスの感染拡大を受けて、世界経済がペースダウンしている。
航空業界への打撃は並大抵ではなく、海外では「客足の回復は早くても2024年」と見積もっているとの報道が流れた。
その後も「市場の拡大」と元気に叫んでいる企業はない。
SOHO事業者も何とか生き残る収入を確保できたとして、これからの事をどう考えたらよいのか。
しかしこの時期が大切だ。
難しい時代には間違いないが、今こそ「起業家精神」発揮のタイミングである。
まず華々しい経済成長はないのだから、どこに力を注ぐかが重要だ(選択と集中)。
次にモノゴトをどうやって進めるのか。
手本がない。
そこでワイガヤから生まれたのが「じわくり戦略」である。
じわじわと、やりくりしながら、を合わせた造語だが時代にはぴたりと合う。
例えばどこに焦点を合わせるか。
基本はニッチ分野。
大手が手掛けている仕事には手を染めない事。
そのうえで参考3分野を書けば、
・地域で求められる小さな仕事。
・オリジナリティ発揮の分野。
・地道に働けば何らかの報酬がある受注分野、など
である。
それぞれの収益は十分ではないが、3つを足すと「中金持ち」になれる程度の対象を選ぶこと。
これは長期的な仮説を持たねば挑戦する気にもなれない。
ハズレる事もあるが、ともかく標的はこれらに絞る。
次にどう取り組むかだ。
例えば「集客はこうすれば成功する」
などのキャッチフレーズに踊る仕事は短期目標の乱発であり、当たり、ハズレも大きい。
所詮単なる話題ビジネスである。
我々が取り組むべきは長期的に利益を生む分野で、大手が手を出さない分野である。
単なるニッチ分野の攻略と違うのは、進め方が
・じわじわと、やりくりしながら
・急がず、時間をかけて
という常識外の方法、アプローチである。
一仕事10年は、ネットの時代にも変わらない。
ただしIT分野は変化のスピードが速い。
選択事業分野で先頭に立てなければ、単に背中に追いすがるだけの人生になってしまう。
「じわくり戦略」はこの逆。
ゆっくりと、じわじわと「浸透」させて、気がついた時にはあるボリュームのシェアを奪っている、という具合である。
最初の3年で存在を知らしめる。
次の5年で存在感を増してゆく。
最後の2年で収穫の時期を迎える。
こんなのんびりした戦略を大企業は採用できない。
株主資本主義はそれを許さない。
そこでSOHO・個人事業家のごく一部だけがこれに挑戦する。
(自力のある企業も実は行っている。例:ホンダジェット)
私はここで10年後に誰が笑うか、を本気で話しているのである。
しかもここはまったくのブルーオーシャンだ。
「人の行く 裏に道あり 花の山」
やってやれないことはない。
やらずにできる訳がない。