河瀬ビジネスサロン ライフワークを育てよう!

コーディネイター河瀬謙一@SOHO CITY みたかからの発信。
お金をかけない起業と経営で豊かな人生を!

実行へのヒント-650

2015年08月25日 | Weblog
実践知リーダーシップ

経済新聞から雑誌まで、マスコミは大企業の動向を伝える。
その事例を研究した学者が、研究目的で論文と本を出版する。
マーケティングならOXOXOXとかの類で、この題材も大企業である。

そうでないときは話題性のあるベンチャーで、元気を取り戻せ
とか副題がついている。
しかし元気だけでは何ともならない。

残念ながら、SOHO起業・経営では大企業の成功事例を見ても読ん
でも、ほとんど役立たない。
真似したら失敗することの方が多い。

それは資本も経営資源も、持つものが違いすぎるからだ。
SOHOで起業したり、SOHOの経営を論じていると感じる「何か変」
な感覚はここから生じている。

図示するとこうなる。

① 青色---経営の基礎は同じである。
② 黄色---成功事例の研究は圧倒的に大企業に集中している。
③ 緑色---SOHOの成功事例の露出度はまだほんの少しである。
④ 赤色---企業としての活動事例は個性の発露である。
     大企業は大企業なり。
     SOHOはSOHOなり、である。



この図から何かを読み取ろうとすれば、次のような結論にたどりつく。

① 経営の基本は学びなさい。 

② 企業体が小さいほど、事業テーマにはSOHO社長の性に合う事業が選ばれる。

③ 基本をおさえ、社長と相性の良い事業を選ぶのが大切。
  それ以上の事は、あなた自身の創意工夫が勝負であり、まだ見ることも語る
  こともできない。先ずはやってみなさい。

アジャイル方式、アジャイル人生の核心である。
実践から学び、学びから実践に活かす。
ではなぜこういう積極的思考と方法がすぐには広まらないのだろうか。

・教育機関が困る。学校不要論が出てしまう。
・試すのには苦労が伴うから、行う人は少ない現実。
・既存企業が脅かされる。市場を食われてしまう。
・大企業伝説は今も生きている。

などで、広まるのはだいぶ先の事らしい。

逆に考えるとこうだ。
だからSOHOのビジネスチャンスは益々広がっている。
下請け型が成り上がる機会はここにある。
知識だけではなく、考えて行う人の時代である。

ナレッジ研究の第一人者、野中郁次郎さんはこれを「実践知リーダーシップ」
と呼ぶ。

「ひと言でいえば、知的体育系だ」、とも。




実行へのヒント-649

2015年08月12日 | Weblog
アジャイル方式

小さく試し、その実践から学び次に進むことを「アジャイル方式」と呼ぶ。
ソフトウェア開発で使われる言葉だが、新プロジェクト、身の丈起業、経営革新にも
使える強力な武器だ。

従来の考えと明確に違う点は、最初にすべてを決めない点だ。
いや、決められないといったほうが正しい。
ソフトウェア開発では要件定義がはっきりしない案件、起業や新分野への進出では、
マーケットの土地勘が働かない場合に大きな力を発揮する。

最初からマーケット状況がわかっており、打つべき手がわかれば従来の方法でよい。
従来の方法は「ウォーターフォール(滝)方式」と呼ばれる。
わからない場合は「アジャイル方式」の出番だ。

アジャイル方式では、2週間程度で一定の成果を出すことができるよう、工程を適度に
細分化し、実行し、失敗したことを学習機会ととらえ即時に修正を加える。
このとき実行者は小さな「成功感覚」を手にする。
次に手を付けるべき箇所は、この時すでに見当がついているはずである。

手当たり次第に何でも行うのではなく、プロジェクト全体には最初から、目的・目標、
期間が一種の制約として働いている。
この制約をも上手に使うのである。

やってみなければわからない事だらけの新規事業分野などでは「アジャイル方式」を採用
することにより、良い成果を得る可能性が大きくなるはずだ。

私も試してみた。
「こりゃいい」が率直な感想であり、肩の荷が半分に減り、気分的にも楽になり、頭は
より働くようになった。

個々の細分化されたプロジェクト成果を全体計画にも反映し、前進する方式だと実行者への
負担が軽減し、「成功感覚」により推進力を得る。
同時に見えなかったものが見えてくる。

また、身の丈起業の場合にも、夢の事業計画作成づくりに頭を悩ますことはない。
最初にアバウトな事業計画書を作り、順次精度を上げていくのだ。
これなら万人に応用が可能である。

新事業だけではない。
人生についても「アジャイル方式」は有効に働く。
逆の立場に置かれる「ウォーターフォール(滝)方式」を例にとればわかりやすい。

従来の偏差値最優先教育と大組織への就職、昇進だけで人生は語られるべきではない。
もっと豊かな人生もある、と知ることだ。
不透明な時代だからこそ、人生には「アジャイル方式」を活用できる、と知っているだけでも
気持ちにゆとりが生じる。

いい学校を出て、いい会社に入って、それで今何人が自分の人生に満足しているだろうか?
よりすごいのは、学校を卒業してから学び続けることだ。

 少にして学べば則ち壮にして為すことあり
 壮にして学べば則ち老いて衰えず
 老いて学べば則ち死して朽ちず

学ぶを「アジャイル方式」で続け、経済的にも、人生全般についても豊かな人になったらどうか。

実行へのヒント-648

2015年08月08日 | Weblog

情熱を持ち小さく試すこと

「いいアイディアがあるなら小さく試してみるといいよ」と言っても、ほとんど
の人は試さない。
行動するより、夢を語っていた方が楽しいし、自分も傷つかないからだろう。
つまりほとんどの人は、幻想を頭の中に描いて楽しんでいるのである。

言いたいのはこういうことだ。

情熱のある人は少ない。
情熱を行動に結びつける人はもっと少ない。
これを逆から言うと、情熱をもって、よく考えたうえで行動すれば、成功の確率は
ぐんと上がっていく、という事だ。

情熱をもって小さく試していると、次の可能性も見えてくるし、あるいは限界も見え
てくる。
だから次のとるべき行動は明確である。

この現実とステップを理解して進めばいい、と思うが、あまりに単純なので理解され
にくいのが欠点である。


*小さなチャレンジから大きく成功した人の話は、ここにたくさん集めてある。
 ぜひ参考にしてほしい。
http://sohocity.jp/mitakastyle








実行へのヒント-647

2015年08月08日 | Weblog
狙い方、2つのアプローチ

これから新しいビジネスを「もの」にしようとする場合、大きく分けて2つのアプローチが
考えられる。

ひとつは、狙うビジネスの諸要素の多くがすでに明らかであり、そこでの成功を狙う場合。
もうひとつは、狙うビジネスの諸要素に不明点が多く、市場の動きも動的で、手に入る結果さえ
予測しにくい場合である。

前者の場合は可能な限り克明な事業計画書を作成し、それに従って事業を進めればよい。
大きなアプローチに変更はなく、もしあったとしても限定的である。

後者の場合は、先ず行動から始まる。
考えてはいるが、考えても先が見えてこないことが大きな理由である。
第一行動の結果を、第二行動の根拠とするのである。
試行錯誤から学ぶ方法、といってもよい。
この試行錯誤を何回行うかは、予想さえできない。

こうして現代においてそれでも事を起こすのは、個人的に何か入れ込む要素があるからだろう。
この個人動機こそが試行錯誤、というつらい壁を突破する一番強い根拠となる。
もちろん個人の価値観に依存しているので「一般論」では説明できない。
しかし、結果的には社会に溶け込み普遍性を持つ。

キーは第一行動を起こす時に「大仮説」を描けるかどうか、にかかっている。
これは個人動機とリンクしており、後日変化もするが、この「大仮説」なしに人間は行動を起こせ
ないだろう。

変化の大きい時代と変化の大きいビジネスには後者の手法が有効である。
言い換えれば、前者の手法では最初の一歩さえ踏み出せない。





実行へのヒント-646

2015年08月06日 | Weblog
ローカルビジネスを狙え

グローバル企業は利益が高く、給与も高く、ローカルは低い。
仰るとおりである。

ではローカル企業がすべてそうか、といえば違う。
ローカル企業でも収益と給与の高い企業はある。
その数、すなわち率が低いだけである。
SOHOもグローバル企業ではないから同じである。

加えて、可能性としてローカル企業がグローバル企業になる率はまったく低い。
ほとんどない。

では、ローカルはグローバル企業に勝てないのか?
この質問の意味はよくわからない。
何をもって勝つのか、がわからない。

答えは勝つ必要がない、だろう。

グローバル企業がすごい、といわれるのは、市場でいつも勝ち続けているからで、
ゆえに話題を振りまいており、株価も高く有名で高給取りが多いからに違いない。
しかし、市場競争に負ければ明日はない。
グローバル社会での戦いとはそういうものである。

間違ってはいけないから言っておくが、日本の大企業のほとんどはグローバル企業
ではない。
国際的な活躍や取引をしているという点ではYESだが、世界でのシェアが圧倒的に多い
というグローバル企業は意外と少ない。

ゆえに大企業もほとんどがローカル企業といってよい。

さて、工業化時代には大きい会社が大きい工場を持てるがゆえに、会社の大きさには
大きな意味があった。

その意味で中小企業、あるいは零細企業というのは、規模が小さく、一人当たりの利益
も少ないことを意味した。

しかし経験値や実践知や知識がものをいう「ノウハウ社会」になると、話は一部逆転する。
例えば、万有引力を発見したニュートンはひとりである。
微分積分の概念を考え出したのは、これにライプニッツが加わるが、それでも二人である、
とか。

ローカルビジネスに代表される、街の商店の利益が少ないのは新しい「ノウハウ」を十分に
生かし切れていないところにある。
ビジネスに対する新しいアイディアのプラスも少ない。
つまり、昔しながらの商売の方法を変えないからである。

時代は大きく変わり、物もサービスも溢れかえっているのだから、同じものは売れない。
売っても利益が出ない。
売り方も変わるのが普通だろう。

これらの課題に対する答えは明確だ。
他では売っていないものを売るか、他にはないサービスをプラスするかだ。
あるいは誰も気が付かないイノベーション。
シュンペーターの言う新結合。
「で、その新結合は何か」を考えるのが社長の仕事であって、それがあなたの「ノウハウ」
である。

この「ノウハウ」がすぐに真似できないものであり、リピーターを生むときに利益は増大する。
知的所有権で守ったり、ファンを作るとはそういうことで、ローカルビジネスマンが狙うのは
ここであるが、勿論すべての人が成功できるわけではない。

実行へのヒント-645

2015年08月05日 | Weblog
あと5年

日本では「起業」を後押しする制度や補助金がずらずらっと並び揃う勢いである。

出来れば、技術力に優れたベンチャーで、グローバルに大きく育つ起業家、とか。
というが、そんな会社は日本ではここ数十年出てきていない。
しかしマスコミがはやし立てるのはそんなイメージの会社である。

さて、このような現象に見られる様に、第二次世界大戦で物量で負けた日本が、
戦後とった政策は「物の豊かな国」つまり大企業万歳の価値観と仕組みである。

評論家の堺屋太一氏によれば、
・強さを求めた明治時代
・モノの豊かさを求めた戦後

があって、この2つに続いてこれからの日本は「楽しい国に」、と言われる。
考え方がソフトで共感する。
大量生産とは均質的なものをたくさん作る技術と仕組みだから、ある時まで
そのメカニズムは日本に有利に働いた。

しかし今も大企業が尊ばれるのには3つの理由がある。

・先に述べた、敗戦の裏返し
・つい20年ほど前まで、日本の大企業が強かった事実(甘美な記憶)
・有名企業は無名より良いという奥様の評価

である。

私は大企業も中堅企業も、ベンチャー企業もウェルカムで、それにSOHO等を混ぜた
混合社会になってしまうと考えている。
騒ぐほどのものではない。
見本は、自然の生物界にある。
バクテリアからシロナガスクジラまで、食物連鎖でつながっている世界が最も自然で
美しい、と野中研究室の廣瀬綾乃さんに教えてもらった。

三鷹市は大企業が出ていくフェーズにあるので、中と小(SOHO)が混ざった地域社会
になる。
大企業がいなくなるという点で、三鷹市は先進郊外都市といえる。
大企業は、モノづくり時代の産物だからだ。

知識創造社会において、大切なのは経験値の積み重ねで、そこに知識や耳学問とチーム
ワークが合わさって良い仕事になる。
大事なのは質であって量ではない、とドラッガーは言い、明日を支配するものという本に書いた。
それがざっと15年前。

社会の評価は10年から20年でざっくり変わる。
だからあと5年くらいすると、良い仕事はさらに高く評価されるようになる。

先駆けて、デパ地下のお総菜やスイーツは、完全に「大きさ」から「質」に変わった。
あるケーキは同じ大きさなのに、ひとつ990円もする(笑)。
奥様の目の方が会社の仕事で忙しい旦那さんのそれよりもずっと高い証拠である。

だから勘の良いSOHOは、5年後に向けて新しい商品やサービスを考えてみたらいい。
考えたくない人は、サラリーマンか下請けのSOHOが似合っている。
アイディアを批判するばかりで、何も試さない人は置いてけぼり、の時代となった。

時代は大きく動いている。
豊かに生きたければ、多少のリスクはテイクして新しいことに挑もう。
何しろ、この戦いは実に有利である。
最初は小さく試すだけ、でよいのだから。

ビジネスモデルキャンパスを使いこなそう 【講座開催のお知らせ】

2015年08月05日 | Weblog
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みたか身の丈経営塾(経営実学道場 2015-part5)
実践、SOHO社長の行動学-5   ~ビジネスキャンパスを使いこなそう~ 
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【 開催場所が変更になります。】

今回は既に話題になっている「ビジネス モデル ジェネレーション(翔泳社発行)」に紹介されているビジネスモデルキャンパスの使い方を学びます。


■対 象:事業と収入を伸ばすことに意欲を持つSOHO事業者
■日 時:2015年8月6日(木)14:00~15:30
■会 場:三鷹産業プラザ3階ファブスペース  
     三鷹市下連雀3‐38‐4
■受講料:500円
■定 員:6名

詳細はココ

http://sohocity.jp/information/seminar/7422