「おまえ、よーく考えろよ」
先に述べた一種の起業ブームは、海辺の波のように幾度も我々の周りに押し寄せている。
私も豊かになれるというのは本当の話だが、相応の時間と努力が必要である。
世の中に魔法の杖などはない。
そこでその間を埋めるのが、
・こうすれば成功できる
・このノウハウが成功のカギだ
といった類の本で、本屋の店頭に平積みにされている。
特徴はロングセラーがなく種類だけが多いことである。
つまり賞味期限が短い。
精読するには値しない。
なのにこれらのノウハウ本を読んだ人がその気になって起業したらさあ大変。
フリーランスの年収は300万円以下の人が60%を占めるという調査報告があるが、その裏にはこんな現象が存在する。
一方、豊かさを保つ真の身の丈起業家、個人起業家は静かにコマを進めている。
この差は何か。
実例がある。
今では健康食品で有名な”やずや”の創業者のハナシである。
この人が”やずや”を創業する直前まで、「あの仕事もいい」「これも儲かりそうだ」と仕事を決められないでいた。
このとき44才。
勉強会で青汁キューサイの長谷川社長に強い口調で言われた。
「おまえ、よーく考えろよ」
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やずやの創業者、矢頭 宣男さん(故人)はその言葉で「ハッ」と気づき、努力を重ねて今日の通販会社”やずや”をご夫婦で力を合わせて築かれた。
この実例が示すように、
・社長が考えを尽くしていない
というのは予想以上に恐ろしいことなのだ。
だから、もし幸せになろうと思ったら、物事をよーく観察し、よーく考えてみることだ。
そのうえでいろいろ出来る事をやってみればよい。
本物の生きた情報はその時に集まる。
そうすれば自ずと道は見えてくる。
起業当初は心細く、迷いながらも事業を進めてきた先輩社長たちが、今は静かに教えてくれる。