日々の出来事を写真と共に

身近に起こる出来事、感想を写真と共に綴ります・・・

地元の方々が集う

2018-01-28 | 文章・文芸
【2018.01.28(sun)】
文芸誌を読んだキッカケは…

・昭和54年の創刊と随分むかしからあった(らしい)<鳥取文芸>の38号を読む機会がありました。


・38号の特集は「あんな山 こんな山」で、28人の地元の方が自分の想う山について語られています。
市民に親しまれる“久松山”や近所の“大路山”“面影山”が登場するかと思えば、舞台がヨーロッパアルプスやマッキンリーだったりする。
百名山を達成された方、又自分にとっての最大の山は病を乗り越えることだったと述懐されている方もいる。

・山に対して人々が抱く思いはこんなにも様々あるのかと新鮮な気持ちで読み進める。
山歩きを楽しむ者として、これから何かを綴ろうと考えた時にヒントをいただける内容であった。

・ところでこの<鳥取文芸>を読むきっかけになったのは同じ教室に通う先輩のYさんが、この号の市民文芸小説部門で「奨励賞」を受けられたからでした。
受賞作は「骨」で“夏尾青綱”のペンネームで書かれています。

・ある山村が舞台で、そこで田畑の耕作と炭焼きを営む「田杉幸次郎」が主人公。
彼が住む集落と炭焼き小屋のある山の間には深い谷があって、炭焼き小屋に通うには迂回するしかなかった。
不便な環境で何年か続けた炭焼き生活の後に、彼はこの場所に橋を架けることを決意し実行に移す。

・「刎橋」という架橋の工法が詳しく語られ、工事の過程がリアルに伝わって素晴らしい。
Yさんはこの関係の専門家?と思ったのだがそうではなく、すべて想像の産物であるとか。
しかし想像で書くにしてもベースとなる知識は当然必要で、工法の研究に努力されたであろうことが推測できる。

・苦難の末に橋は完成するのだが、時代は移り変わり炭の需要は減っていく。
折角作られた橋を渡る村人も減っていく中で、ある冬の日に幸次郎は炭窯の崩落事故で命を落としてしまう。
荼毘に付された幸次郎の骨は透明であったというエンディング。

・想像力でこれだけのものが書けるなら、これから先もテーマを変えて優れた小説を次々と著わされるだろうと思いました。
1年後の2017年-第39号ではマタギの姿を描いた 「月光の夜」で「鳥取市長賞」を受賞されました。


・熊猟を営む「源造」の物語。今回も緊迫感ある展開がなされる中で、動物に対する猟師の愛情が伝わってくる表現に感心しました。
下地として熊の生態をよく研究されていることも分かります。

・普段気軽に世間話をしているお仲間の方が、こんなに素晴らしい作品を著されることに驚いています。
県立or市立図書館の蔵書となっていますので、ご興味のある方は手にとって頂きたいと思います。

・縁あって<鳥取文芸>を読ませて頂き、絵画や山歩きの分野で既知の方が文筆でも才能を持たれているのを知ることとなり有意義でした。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

【2018.01.28(sun)】

・鳥取の著名な歌人であり、多くの短歌賞の選者、審査員を務められている<池本一郎>氏の講演会を聞きに出掛けました。


【平成29年度 鳥取県文化功労賞 受賞記念講演 講師:池本一郎氏 演題:短歌への期待】:於 倉吉交流プラザ

・約150人の来場者がありました。
著名な歌人や県内の短歌愛好家の作品を紹介しながら、自身の短歌人生を邂逅して短歌との出会いや、現在短歌について思うことを語られる。
「短歌はかばんの中から出てきた砂金のようなもの…」の言葉が印象深い。

・わずか31音の中で、自分の得たものを他人に与え共感できる文芸の良さに少し触れることができました。

See you.

I.O
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする