いい国作ろう!「怒りのぶろぐ」

オール人力狙撃システム試作機

福島原発事故を巡る東電の大罪~4(追記あり)

2015年05月12日 21時31分44秒 | おかしいぞ
◎寄り道:


未だに東電の罪は、隠されたままである。彼らのような連中がのさばり続ける限り、日本に未来などない。


東電の説明は明らかに異常である。
なのに、誰も指摘できない。一部について、事故調でお小言を言う程度でしかないのだ。まともな学識者たちも殆ど存在しないか、矛盾点を追及できる人間など全くいないということなのだ。このような連中に、これからも原発を任せていかねばならないとなれば、廃炉作業など夢のまた夢なんじゃないかとしか思えない。


また喩えで申し訳ないが、東電の異常さについて言うと、以下のような感じ。
将棋の棋譜ってあるでしょう?
あれは、応手がきちんと把握でき、先手がどういう手を指したか正確に分かるわけです。事後的に見ても再現できるし、あまり将棋が強くない人が見ても分かるわけです。

東電の説明というのは、これとは全くかけ離れています。
通常の棋譜ならば、初手が何、7手目は何、15手目は何、と分かりますよね?しかも、どうしてこの手を指したのですか、と尋ねれば、きちんと理由が返ってきます。しかし、東電の説明は全然違う。


8時25分、将棋会館へ向かうバスに乗る。
その日は必須アイテムの扇子を忘れた為、集中できず実力が発揮できなかった。扇子は勝負に組み込まれているようなものなので、やむを得ず。
11時30分頃、5手目に歩を突いたが、仕方ない。他の手は選択できないからだ。
26手目で飛車を取られた。玉を守る為だったから、しょうがない。
15時46分くらいに、トイレに立つ。
51手目で金で受けた時、観戦記者が入室。苦しい形勢だ。
78手目、大駒だけでなく、金銀も失う。戦意喪失だ。
89手目、詰んだ。もう玉の逃げ場がなかったからだ。


こんな感じ。バカみたい。

これで、どうやって対局の刻々の変化や一手毎の良し悪しが分かると?棋譜を正確に全部出せ、って要求したら、「ああ、昼食はカツカレー、おやつはケーキを注文しました」って、全く将棋の内容には関係ないようなことばかりを並べてきやがるわけだよ。アホか。「観戦記者さんはね、○○新聞の人なんですよ、知ってました?」とかって、無駄情報入れてくるな、ボケが。


問)5手目の歩を突いた局面は、他の選択肢がないというのはどういうことですか?
→いや、戦型的には定跡らしいんですが、戦型は秘密で言えません

問)飛車を取られたのは王手飛車だったのですか?
→そうでもないんですが、玉形が悪過ぎて、どうしようもなかったんですわ

問)詰みの形と手順って、どういう感じだったんですか?
→もう敗北のプレッシャーで混乱してて、あまりよく分かりませんが詰まない順はなかった、というのは確かですね


もうね、こういうのらりくらりで、まともな答えになってないわけですわ。知りたいことが全く判明しないし、言わない。
で、結局、将棋の内容とかの検討が全くできないわけです。都合の悪い部分は全部隠しているから、対局の状況が全く見えない。でも東電のバカはこれが「オレ達の棋譜だ」って言い張るわけ。


観戦記者の様子とか、トイレ休憩とか、中心部分とは無関係じゃないの。だけど、そういうゴマカシを入れないと、棋譜らしきものにもならないから、言い訳大王気質が全開で、無駄情報を満載にしてくるんだわ。オレが知りたいのは、一手一手の記録だ。正確な棋譜なんだよ。
こんな卑怯な手を使ってくるのは、東電くらいだろうに。そういう能力だけは長けているからだ。クズ官僚どもと一緒。無駄な書類作成とか、無駄情報の山を築くことはできるが、中身がない、ってやつだ。
他の人たちなら、棋譜を提出して下さい、って言うと、普通の棋譜を出すんだよ。しかし、官僚主義帝国企業の東電さんは、違うわけ。負けの棋譜を隠すんだ。その上、言い訳だけは満載なんだわ。で、結局、情報が少な過ぎて、差し手が分からないから、戦型の適否も、悪手の存在も、何も分からないようにできているわけさ。
「どうして金で受けたら苦境だったのですか?」って尋ねても「普通は受けは金っていうのがセオリー」とか返答してきやがるから、それ以上言いようがないわけだ。ほぼ全部がこんな調子。




話は変わるが、津波被害で浸水して、発電機も配電盤も使えなくなったんだ、だから仕方ないんだ、って言い分ね、これもヘンだと思わない?

だって、原子力施設って、水だらけじゃないですか。
原子炉内部も、使用済燃料プールも、巨大な抑制室プールもそう、蒸気配管や、給排水ポンプと配管類もそう、復水器関係もそう、どこもかしこも水だらけ、ではないですか。
なのに、水がこぼれてしまい、濡れたので、原発が次々と爆発しました、って、相当頭が悪いとしか思えないんですが。そんなに簡単に隣の部屋に水がこぼれていってしまいます、って構造なのですかね?本当ですか?

だとすると、もうね、頭がおかしい。
そんなに簡単に、配電盤がいかれたくらいで、原発が終わってしまってたら、水災だけじゃなく、火災とかだってあるだろうし、電線故障とか、何があるか分からないでしょう?
その度に、電源喪失だ、M/C(メタクラ)やられた、もう駄目だってなるのか?
どこが多重防御なんだよ。単純に、メタクラだか配線だか失ったらおしまいだろ。その程度のものを、偉そうに大丈夫だ、とかよく言えるな。


津波で浸水って、本当か?
今回の記事で書いたが、SGTSとかPCISって機能は、とにかく密閉性を高めて、外部には漏らさない、ってことなのだよな?


それなのに、ちょっと水かさが増えたくらいで、あっという間に原発中が水没するもんなのか?
だったら、気体を外部に漏らさないなんてシステムそのものが、何の意味もないだろうに。アホか?
例えば、各部屋毎に気密性の高い扉の構造になってないと、建屋の陰圧ができないのでは?二重扉、水密扉とかじゃないと、意味ないんじゃないのか?


こういうのって、原発施設内部を見たことがある人間ならば、すぐに分かることなんじゃないのか?
海側のヒートシンク系ならまだ分かるよ?
だけど、原子炉建屋内部に、そんなに簡単に水が腰まで、とか、浸かるもんなのか?到底信じ難いわ。建屋内部に一つ目の部屋には水が滲み出しました、程度ならまだ分かるが、次々と水浸しになるもんなのか?だったら、本当の冷却材漏洩事故が発生したら、簡単に漏れ漏れになること間違いなしではないか。


まあ、本当にそういう構造物なら、作った人間もバカ、運用してる人間たちも相当のバカじゃないと、あり得ないわな。それでよく安全です、漏洩しません、って断言できたね。

この程度の連中が作ったのなら、やっぱり信頼などできるわけがないわな。だって、根本的におかしいから。構造物として。その程度のトラブルすら予期できないってことだし。
違うというなら、東電の大嘘がバレるので、やっぱり出鱈目業界だってのは確定だな。
どの道、異常なんだよ。原子力ムラの連中ってのは。


その上、平然と国民を騙し続けるんだから。


(追記)

これまでにも、何度も嘘をついている、と指摘してきたわけだが、政府は勿論、マスコミさえもがみんな黙り込んでいるのだよ。
原発事故で死亡した若者たちを忘れたか?

「多発性外傷」が起こった理由というものを、本当に考えたことがあるか?

2011年4月3日>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/a8ebcbafc093b2266bb448ad0483cce3

津波で浸水したとしたって、タービン建屋内部に、濁流が押し寄せるとか、映画『タイタニック』みたいな船内通路が急流みたいになって押し流されるみたいなことが、現実に起こり得ると思うか?

そんなのは、デタラメなんだろうよ。騙しているだけだろ。

引用した記事だが、ヤフーニュースにあって、紙の紙面にない場合、それはどういうことなのか問題になるだろう。
紙でもやっぱり記事があるなら、讀賣新聞の過去記事検索で必ず存在するはずだ。

そして、この報道内容が虚偽でないなら、通常では考えられないようなことだが、水の被害で2名の若者が死亡したってことだ。それとも報道内容が虚偽であったのなら、建屋内の浸水が激流であることは否定されるが、読売新聞記事がデタラメであることは確定するだろう。


2014年1月19日>http://blog.goo.ne.jp/critic11110/e/b845d6783fe52e6a851fc917760d892e


この時にも、ヤツラの罪について、糾弾するべく記事を書いたわけだが、原発推進派たちには何らの効力もなかったわけだよ。
世の中の弁護士たちの中で、戦いを挑める人間がいるなら、たった一人でもいい、専門家たちの知識に太刀打ちできるよう、力をつけてもらいたいものだ。どんな記録でも資料でも、くまなく調べれば手がかりや糸口は見つけられるはずだ。拙ブログは、無駄かもしれないが、記事に書いたことが今でも役立っているように思える。諦めずに、調べて欲しい。



福島原発事故を巡る東電の大罪~3

2015年05月12日 13時51分52秒 | おかしいぞ
続きです(追記あり)。


疑問点7:
1号機のMSIV全閉が起こった理由は計器電源喪失が原因か?



①主蒸気管の異状?

アラームタイパによると、主蒸気管閉信号が出る前に別のアラームが見られていると思われる。

・14時47分50秒920
STM LINE RAD A   HGIH

・14時47分50秒930
MAIN STM VALV A   CLOSE
STM LINE RAD C   HGIH
MAIN STM VALV C   CLOSE

・14時47分51秒720
STM LINE RAD B   HGIH
MAIN STM VALV D   CLOSE
MAIN STM VALV B   CLOSE
STM LINE RAD D   HGIH



推測では、CLOSE信号が出る直前に、「主蒸気管放射能高」信号が出されたようであり、A弁及びC弁が立て続けに閉鎖されたように見える。同様にBとDでも閉鎖信号が出たように見えるわけだが、Dはほぼ同時に閉鎖と放射能高信号が出た為に表示が前後していたのかもしれない。
「主蒸気管放射能高」信号はMSIV閉鎖を自動起動するはずである。


②SGTSの自動起動と自動停止

通常だと原子炉スクラム後には、SGTSが起動する。いわゆる「閉じ込める」機能を確保する為である。PCIS(格納容器隔離系)も起動する場合がある。
1号機アラームタイパでは次のようになっていた。

・14時47分21秒920
SGTS B START ON

・14時47分50秒920
SGTS B START OFF


一度自動起動したSGTSは何故か30秒未満で停止となった、ということであろう。次の瞬間には、多分別の機能の「ラディエイション モニタ」(高濃度検出?)が自動起動した、と思われるのである。


・14時47分51秒720
SGTS RAD MON HI(L/R) ON



SGTSの通常の空調システム(建屋内部を陰圧に保つ)が一度動かされたのに止まって、「放射能高の場合」の別機能が動作したように見えるということ。


これらアラームタイパからの、スチームライン(A~D)放射能高とSGTS機能を見ると、いずれの警報も一致して「放射能高(RAD HIGH?)」状態が発生した可能性を示しているのではないか、ということである。
その理由とは何だろうか?
制御棒挿入時に燃料棒の一部損傷が発生した、とか?


③D/G起動信号はMSIV閉信号よりも後

アラームタイパでは、D/G起動はMSIV閉より少しだけ遅れて発動している。

・14時47分51秒940
6.9kV BUS VLT 1D LOS ON

・14時47分52秒080
6.9kV BUS VLT 1C LOS ON

・14時47分57秒070
DIES GEN CB 1D-1 ON

・14時47分58秒920
DIES GEN CB 1C-1 ON



これらの時間が、2号機や3号機の場合と一致しているようには見えない。
また、MSIV手動閉としていたのは3号機であった。自動閉ではないようだ、ということである。本当にタービンバイパス弁(BPV)制御を使っていなかったのか?(もしも使っていたなら、3号機だけがRCICの起動時間が遅かったことと整合的である)
計器電源喪失が原因であれば、全部同じく自動閉となるはずなのだから。



疑問点8:
1号機は津波が来るまで何をしていたのか?



あくまで推測でしかないが、東電が公表していたものとは違うのではないかと思う。拙ブログでの見解を述べてみたい。

スクラム直後からの数分では、各種のアラームが発せられるので、全部を確認するのは難しいだろう。少なくとも、制御棒挿入などの基礎的事項の確認作業に追われることになるだろう。
主蒸気管の放射能高信号でMSIVが全閉となり、原子炉は隔離された状態となった。ここで、SGTSなどの「放射能高」信号か、D/W(ドライウェル)圧力上昇か放射線量上昇、原子炉圧力低下、などが重なっていたら、どのように判断しただろうか、ということである。

原子炉圧力低下は、ICが動いていたから、という理由の他、SRV関連による理由というのも想定されよう。
同時に、D/Wの変化をどう読むべきか?
「ひょっとすると、圧力容器からの漏洩がD/Wにあったのではないか?」
そのように考えても不思議ではない、ということだ。
そもそもMSIV閉が「主蒸気管放射能高」信号で発生していたなら、D/W内放射線量上昇があっても「おかしくない」と現場で判断したとしても整合的であろう、ということ。


記録から分かることは、

ア)圧力抑制室プール(S/C)の水位警報がアラームタイパで頻繁に見られた
イ)格納容器圧力上昇、S/C差圧上昇
ウ)CCSを機能させたとの証言、動作記録(15時04分頃B系 同08分頃A系)
エ)SRVの動作状況が津波前に見られないこと

などである。そして、運転員が「漏れを確認する為、ICを手動停止させてみた」と証言したとされる、国会事故調などの記述だ。


推測されるのは、例えば、ア)からSRVの弁機能かその周辺(接合部やS/Cへの配管系)の故障か損傷か異状である。
本来であると、開閉が自動的に起こって閉弁されるのだが、漏れが続くと蒸気がS/C内に持続的に噴き出すことになろう。しかも、アラームタイパでは正常水位信号と水位高信号が交互に頻繁に出てるので、水位計のうち噴出部付近の水位計だけが異常値を示すもののプール全体は大きいので他水位計は正常値を返す、の繰り返しだったとか?

他には、D/Wへの漏洩であるが、この場合にもSRV周辺の漏洩箇所があれば、MSIVが全閉になっても漏れるので、D/W放射線量上昇か圧力上昇(温度上昇までにはもう少し時間がかかるのかもしれない)が観察されていたのでは?

そうすると、SRVのどの弁に故障があるか分からず、手動で弁を閉止した、ということなら、SRVの動作記録が存在してなくても、おかしくないかもしれない。
また、ICを手動停止した理由として、リークがないか確認した、という証言があったことは、D/Wへの漏洩を想定するなら整合的だ。圧力容器を出たICに接合される配管のどこかにリークが存在する場合、D/Wへの蒸気漏洩になる可能性があったので、「閉じてみた」ということであろう。

また、CCSを作動させていたなら、これとも辻褄が合う。
何故なら、D/Wに放射性物質が噴出している場合には、D/W中に格納容器冷却系のスプレイを噴霧することで物質飛散防止効果があるし、リーク箇所からの蒸気噴出による温度・圧力上昇に対する低下効果が期待できるからだ。条件イ)とウ)を説明することができる。

チャートでも『TRS-1601-71A』でS/Cプール水温が低下していたが、もしも東電が言うようにICが動いたのでSRVが全く作動しなかったとするなら、SRVからの蒸気が流入することのなかったプール水を冷却する意味は殆どない。逆に、前述のようにD/WかS/Cへの漏洩があると判断していたなら、格納容器スプレイでもS/C冷却のいずれでも有用であり意味がある。

すなわち、津波到達以前に、D/WかS/Cへの漏洩が強く疑われた状態だったのではないか。
そうであるなら、格納容器隔離は確実に行われるし、リーク箇所を探索する操作をいくつかトライするとしても、当然かもしれない。それが、IC閉弁とか、SRV閉などであったのではないか?

そうではあっても、RCICのなかった1号機ではICを閉じてしまうと冷却能が失われるので、HPCI起動で注水力を確保すべきだったと思う。SRV+HPCIがあれば、上まで水位が保たれ、たとえリークが存在していても水位低下よりはまだマシだったかもしれない。満水にしてしまえば、格納容器冷却でもどうにかできた可能性もある。


それから、リーク箇所探索を行っている最中に、弁の閉操作を手動でやったりしているうちに、丁度閉じた状態で「電源喪失」になってしまったが為に、後々開弁操作が困難になってしまった可能性があるのではないかな。
それは、

・D/WかS/Cへの漏洩で、堅固な格納容器隔離が機械的に発生してしまう
・リーク箇所の探索の為、各弁の手動閉操作を行っていた途上で電源喪失

などにより、
原子炉の調節能の大部分が失われた、という結果を生じたのではないか、と。


簡単に書けば、

格納容器に漏れる→閉じ込めようとする→各種弁は原則閉じられる→後にアクセスが困難になる

ということ。
それは、後のベント作業が非常に困難になってしまった、ということだろう。


なので、1号機に関して、整合的な説明があるとすれば、格納容器内へのリークの存在が示唆されること、ではないか。しかも、燃料棒損傷等による放射線量上昇でMSIV全閉に至ったのであれば、やはりD/W放射線量高となるかもしれない、ということである。