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今更そんなに酷評しなくても~『サマーウォーズ』

2010年08月13日 21時57分31秒 | 俺のそれ
んー、こいつは手厳しい(笑)。

アナーキーな自警団「サマーウォーズ」 - 深町秋生のベテラン日記

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いや、たしかに「謎のおばあちゃん」が凄すぎる、というのは、あるよ。実際、いるわけないじゃん。どんだけ日本のフィクサーなんだよ、みたいな。

この作品に対しては、評価が分かれるかな、というのはあっても不思議じゃない。どんだけご都合主義なのさ、的な面とか、ハチャメチャ具合とかはぶっ飛んでいるとは思うよ。

参考:『サマーウォーズ』で、ジンと来たぼく(笑)



受け止める感覚が逆なんじゃないのかな、とは思ったな。一族が超サイコーで、他はみんなバカ、という意図ではないでしょ、多分。

そうじゃなく、一見何の変哲もない、極々普通の生活をしている「市井の人々」には、実は「何か隠れた凄い能力が宿っているんじゃないのかな」、ということでしょ。その寄せ集めというのを、敢えてあの一家の人々に当てはめた、ってわけで。

普段は、「ただの電気屋」と言っている人だって、「特殊なスパコン」を引っ張ってきたりする、みたいな。あの後輩の少年だって、普通の冴えない少年に過ぎないけど、数学だけは凄い、とか。最終対決の女子高生だって、「花札だけは得意」とか。カズマだって、現実世界では虐められっ子で拳法習ったりして弱いんだけど、ゲームは達人とか。

そういう、普通の人たちにだって、きっと何か一つはできることがあるんじゃないのかな、ということであって、一族だけが素晴らしいとかいうことではないでしょ。「応援してあげる」とか、見守ってあげる、ということだって、それだけでも「できること」なんだよ。それがどんなに力を与えてくれるのか、ということを感じたことがない人には分からないのかもしれないけど。烏合の衆とかじゃないよ。「黙ってアカウントを供出する子羊」なんかじゃない。

自らの意思を、信念を示したものだ。選挙の1票と何も変わらない。「誰かに託す」ということを実行したら、ああなるんだよ。別に超人みたいな特別の能力なんか持ってなくたって、「1つの意思」を提示して託したり、声援を送ったりすることは「ボクにだってできる」、ということなんだよ。


この作品のような描き方がいやらしいとか、気に入らないとかいうのは、各個人の意見なので、色々あるかなとは思った。だけど、「あの一族が戦う必然性」みたいなのがまるで分からない、というのは、作品を見てないんじゃないのかな、とは思った。もっと言えば、映画評論とかで食ってるんだったら、そりゃあないでしょ、評論家さんってことなんでは。

あの化け物を生み出してしまったのが、ナントカっていうおじさんだからでしょ。
身内の不始末は身内が落とし前つける、っていうのが、あの家族だから、だよ。おばあちゃんが死ぬ前にそう言ったからじゃないですか。家族の誰かが失敗しても、みんなで協力して助け合え、という平凡な教訓みたいなものってことなんじゃ。

どんだけ家族主義なんだよ、というのは確かにあるかもしれないけれど、身内が助けなくて誰が助けるのさ、ってことだわな。
それに、おばあちゃんの弔い合戦、ということはあるね。敵討ちが必要って、じいさんが言ってたし。ばあさんの遺言でも、家族は協力しろ、ってなことが読み上げられていたじゃないですか。


それと、落下してくる地点は、最初は一切分かってなかった。世界の誰かの上に落っこちるのを阻止せねばならん、ってことだけで、「他の誰かを守る戦い」だったんだよ。自分ちの家を守りたかったわけじゃない。そうなったのは、ラストの10分だ。

大体、政府(組織)が役に立たない、軍隊や警察が無能、ということを言うなら、殆ど多くのハリウッド映画では、そうなってしまうぞ。主役級の人たちが、有り得ないくらいの超人的能力を発揮して問題や事件を解決し、強大な敵をなぎ倒してゆくじゃないですか。政府組織がそれを上回って解決してくれたことなんて、殆どない(笑)。



なんか、結論ありきの批評を見るようで、アレですな。
もうちょっとよく鑑賞してから書けばよかったのでは。


追記:

こちらにも記事を書いてます>今更そんなに酷評しなくても~本人参入?




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7 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Unknown)
2010-08-16 21:32:57
おっしゃる通り。
その評論家の意見を見て
ちょっと極論すぎだろ。
つまんねー見方してんなーコイツ。
って思ってた。
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Unknown (BBB)
2010-08-17 04:21:38
"「市井の人々」には、実は「何か隠れた凄い能力が宿っているんじゃないのかな」"ってのがサマーウォーズのテーマらしいのですが、あの映画の問題は"その寄せ集めというのを、敢えてあの一家の人々に当てはめた"点だと思いますよ。

同じ町内の人たちに協力してもらってってシナリオならテーマに沿った物になったのに、一家族に集結させることで「この家族が体制側のエリート揃いだからなんとかなっただけじゃん」という見方へ逆に誘導してしまっているんですよ。
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Unknown (はみ)
2010-08-17 06:58:45
いや、ごみはやっぱりごみじゃね?
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Unknown (Unknown)
2010-08-17 12:37:52
DTM(DOUTEIMOVIE)としては最高の出来。
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Unknown (Unknown)
2010-08-17 17:57:08
深町氏の評論を全部肯首するわけではないが、あんたの幼稚な見方よりははるかにまっとうだと思うよ。
深町氏の話には作劇作法としてなぜそういう設定にしたかという読み方ができるが、あなたはただ、キャラクターに投影して語っているにすぎない。
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Unknown (まさくに)
2010-08-17 20:01:57
多くのコメントを有難うございます。

個人によって、色んな見方もあり、受け止め方はあります。なので、賛否両論あって当然だろうと思います。
ただ、職業にしている人間には、それ相応の責任とかはあると思うので、あまりいい加減な記事を書くのはどうかと思いましたもので。

それと、最後の方、「あんたの幼稚な見方」という指摘は、まさしく深町氏の「えらそうに」という評価とは正反対のことで、ぼく自身も幼稚だと思うんですよ。なのに、「えらそう」とはこれ如何に。
「キャラクターに投影して」というのも、ほんとうにそうなんです。ぼくの訴えたかったことが伝わっていて良かったな、と思います。

蛇足ながら、「肯首」ではなく「首肯」が正しい用い方ではないかと思います。「しゅこう」と入れますと、変換が出てまいります。なんか、似た漢字(感じ)ですもんね。ぼくもよく間違い漢字や誤変換はありますから。
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Unknown (Unknown)
2010-08-17 20:36:18
『一見何の変哲もない、極々普通の生活をしている「市井の人々」には、実は「何か隠れた凄い能力が宿っているんじゃないのかな」』
…って割には主人公とあの一家(の一部)の他の市井の人々で活躍している人がいないのがちょっと。全世界規模で影響を及ぼしているのに、「市井の人々」のやる事はアバター差し出すか、「キター!」とか、どうでもいいコメント書くか(笑)。

あの描き方だとどう頑張っても『一族が超サイコーで、他はみんなバカ(か、ただの傍観者)』という意図にしか見えないんですがね。アバターが取られてもすぐに新しいの取れるみたいだし。
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