1832年に処女作『アンディアナ』で脚光を浴び、翌年に出版した『レリア』はサンドをさらに有名な作家にさせ、こうして女性作家ジョルジュ・サンドは文壇に確かな地位を築くようになっていきます。詩人ミュッセとの大恋愛、二人のイタリアへの逃避行、それぞれの浮気、諍いと束の間の別れ、再会を繰り返し、そしてついには決別。1833年から35年は、サンドの私生活に新たな風が吹き荒れた時節でした。
この間、ノアンの夫のもとに残してきた子供達のことは、サンドの頭から離れたことはありませんでした。とりわけ、彼らの教育は、サンドにとって最も気がかりなことのひとつでした。
イタリアに滞在中、サンドはミラノから幼い娘のソランジュに愛情のこもった手紙を書き送っています(1834年7月30日ミラノ)。