西尾治子 のブログ Blog Haruko Nishio:ジョルジュ・サンド George Sand

日本G・サンド研究会・仏文学/女性文学/ジェンダー研究
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今日はドラクロワの命日です。

2016年08月13日 | サンド・ビオグラフィ


皆さま
猛暑お見舞い申し上げます。
この酷暑の中をお墓参りに里帰りされておられる方も多いことと思います。

お盆の13日はご先祖の霊が家に戻ってくる日ですね。
新盆の家では大切な人が道に迷わず戻ってくることができるようにと
玄関の前で目印の迎え火を焚き、小さな砂山を作ってたくさんの蝋燭を
灯して先祖の霊を家にお迎えします。真夏の夕闇が迫る頃におこなわれる
この儀式は幻想的で、子供心にも敬虔な心持ちにさせられたものでした。

地域によっても違うようですが、家の中に祭壇をつくり、そこに天ぷらや
おはぎなどお盆のご馳走を供え、きゅうりやなすと割り箸で拵えた馬や牛を
置き、その背中には茹でたそうめんを飾ります。
はすの花やほおずきなどもお供えします。
ご先祖様が天国に戻るとき、ほおずきを提灯にし、野菜の馬やはなびらの
船に乗って、お腹を空かすことなく、無事にあの世に戻っていけるように
という願いが、これらの物には籠められているのです。
16日には、家の前で送り火を焚き、天国に戻ってゆくご先祖様をお見送り
します。
この幻想的で奥ゆかしい習わしは、古くから人々が守り続けてきた貴重な
文化の遺産ゆえ、いつまでも続きますようにと祈らずにはいられません。

ところで、
本日、8月13日は、サンドやショパンと親交のあった画家ドラクロワの命日です。
ウジェーヌ・ドラクロワは、フランスの19世紀ロマン主義を代表する画家として
知られています。
1798年4月26日 の生まれで、1863年8月13日にパリで没しています。
出生に関しては、政治家タレイランが父であったとする説が強いようです。
タレイランは、仏大革命の時代から七月王政まで、フランスの政界で活躍しました。
おもに外交官、外相を務めましたが、一時は首相の任にさえ就いた大物政治家でした。
ドラクロワは今でこそ大画家として有名ですが、古典主義全盛の当時は、彼の作風は
線も色も不安定で過激だとされ、サロンに応募しても選出されず、失意のうちに日々を
過ごすこともあったようです。サンドは、そんな彼に花を贈ったり、手紙を書いて慰め
たりしたのでした。
ドラクロワの父親タレイラン説が有力なのは、ドラクロワが絶対絶命ともいえるような
人生の危機に見舞われるたびに、どこからともなく援助の手が差し伸べられ、必ず窮地
から救われるという不可解な事実が何度もあったことに起因しているようです。

ルーブル美術館所蔵の「民衆を導く自由の女神」は、1830年の作品です。
"La Liberté guidant le peuple" Musée du Louvre

皆さま、どうぞよいお盆休みをお過ごし下さいますよう。

Ferdinand Victor Eugène Delacroix ;
Le 13 août 1863 s'éteignait le peintre Eugène Delacroix,
considéré comme le chef de file du romantisme
de la peinture française du XIXe siècle.



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