西尾治子 のブログ Blog Haruko Nishio:ジョルジュ・サンド George Sand

日本G・サンド研究会・仏文学/女性文学/ジェンダー研究
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爵位について

2017年03月27日 | 覚え書き


日本、ヨーロッパにおける爵位(貴族の位)は上から順に,
公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵の順番

欧州になるともっとたくさんの位(大公爵、準男爵、騎士など)があるが、日本における華族制度(1884年~1947年)はこの五階級が華族と制定。


ヨーロッパにおける爵位

ヨーロッパの爵位は総じて一定の行政区域の支配を担当する官職が、中世に地方分権の過程で世襲化されたものである。その中にはローマ帝国の官職に由来する場合(公爵、伯爵など)もあれば、封建制の進行過程で新たに創設された場合(辺境伯、男爵など)もある。
欧州の爵位に共通しているのは「爵位」という名誉は何らかの貴族の家系そのものに対して与えられているのではなく大本の爵位(官職)が担当する行政区域(公爵領、侯爵領、伯爵領など)に対して与えられているもので、爵位の保持が言い換えればこうした領域の保持を意味する点である。つまり特定の地域が何らかの爵位が担当する区域であるなら、その区域を実効支配する人物こそが爵位を名乗るに相応しい人物となる。
こうした点は家柄に与えられる格付である日本の爵位制度とは大きく異なるため、注意が必要である。例を挙げれば日本制度上、ある一つの家がもつ爵位が上下したり禄や所領が増減することがあっても、複数の爵位を保持することはありえない。しかしヨーロッパの場合は所領が複数あってそれが爵位が付随していれば、一つの家が7つも8つも爵位を保持していることがある。これは珍しいことではなく、こうした複数の爵位を保持する家の場合、最も重要な爵位以外を切り離して嫡男以外に分け与えることすらある。

大公  Grand-duc
大公公爵・親王・王子・公子   Prince
侯爵    Marquis
辺境伯  Margrave
伯爵・伯 Comte
子爵・副伯 Vicomte
男爵    Baron
準男爵  Baronnet
勲功爵・勲爵士・騎士 Chevalier


フランスの爵位
フランスの爵位は13世紀、国王フィリップ3世が貴族身分を制定したのが始まりで18世紀に王族の大公を筆頭に公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵、騎士、エキュイエ(平貴族)までの階梯が確立した。フランス革命で爵位制度は一度廃絶されたが1814年の王政復古により、ナポレオン帝政下の帝政貴族と王朝貴族が併存する形で爵位制度が復活するものの貴族の特権は伴わず爵位は純然たる名誉称号と化した。第三共和政以後は私的に用いる以外その効果を失った。
コメント
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