『評伝 スタール夫人と近代ヨーロッパ: フランス革命とナポレオン独裁を生きぬいた自由主義の母』
工藤 庸子 (著)
単行本: 368ページ
出版社: 東京大学出版会 (2016/10/29)
言語: 日本語
革命勃発時のパリに生き、スタール男爵の妻となったジェルメーヌ――彼女は並々ならぬ情熱で革命に参画し、卓越した政治論を残した。独裁に抗いながら個人の自由を求めつづけたスタール夫人の知的営みとその生涯を、著作の綿密な分析を通して跡づける「知性の評伝」。「近代ヨーロッパ」を問い直す、比類なき挑戦の書。
★樋口陽一(憲法学)氏推薦
親密圏と公共圏を縦横に往き来する女性の知の質量が自分自身の歴史、そしてヨーロッパの歴史そのものを紡いでゆく。
評伝の新鮮な切り口と硬質でしなやかな筆づかいが歿後200年の「ネッケルの娘」を甦らす。人文知と宗教、個人と公共、文芸と政治の交錯が織り成す世界。
【主要目次】
はじめに
第1章 生い立ち――ルイ16世の大臣ネッケルの娘(1766~89年)
第2章 革命とサロンのユートピア(1789~95年)
第3章 政治の季節(1795~1800年)
第4章 文学と自由主義(1800~10年)
第5章 反ナポレオンと諸国民のヨーロッパ(1810~17年)
あとがき