患者さんが健康な人に向かって吐き捨てるように言う言葉<この病気でないあなたになんか、分かりっこない>を巡り考えていきます。言う方も言われる方も非常に辛い場面です。病気ばかりでなく不慮の飛行機事故での被害者、通り魔による殺人事件、戦争に駆り出された人々、それぞれが吐き捨てる言葉<当事者でないあなたになんか、分かりっこない>。この言葉を<言われた人々の哀しさ、愛の喪失感、愛の孤独感>を<言った人>は考えません。このグループには永遠の冷たさが支配します。さて重症でも、悲劇的な事故に遭遇しても、(あなたになんか、私の気持ちは分からない)と(言わない人)もいます。その患者さん、被害者に対して、黙々と暖かい眼差しと温かい手を差し出しながら、虚しい言葉を発しないで生きている人も沢山います。このグループには永遠の温かさがあります。この<あなたになんか、わからない>という言葉をもう一度、静かに考えてみたいものです。
:<現実:230-2>:
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