私は幼い頃から孤独で寂しかったのだろうか
誰にも知られずの場所があった
ただ、ひとりで過ごす場所
それはぐうぜんに出会った場所だった
母は私が11歳の時亡くなった
元気だった時も常に忙しく働く人だから
母と過ごした思い出は少ない
60年が過ぎた今でも母が恋しくなる
美しい場所
秘密の花園
それは母であり
私自身なのかも知れない
いつの頃からなのか思い出せないけれど
幼い私がひとりであの美しい
秘密の花園で過ごしていたと思う
たぶん、その頃から漠然と美しいものにあこがれをもった
絵だとは気づかなかったけれど
私の原点の場所なのだろう
19歳で「北川民治」の絵に出会い
大東京に田舎娘が飛び出して
無我夢中で働き
画塾の扉を開けたけれど
若きイケメン画家教師のダメ出しに挫折
才能がない自分に絶望した日もあった
あれから
50数年の歳月は
あまりにも早く通り過ぎて行った
今は幻
秘密の花園
この心だけが記憶する場所