次は、子音についても考えてみます。
スザンナの最初のフレーズ『Ora sì ch'io son contenta』は、
ラ・シ・ド・レ・ミの5度で構成されています。
この中にはパッサッジョ(→転換点または声区転換と私は訳しています)が含まれます。
これについては過去ログをご参照ください。
スザンナの最初のセリフ『Ora sì ch'io son contenta』には、
『r』『s』『chまたはc=k』『n』『t』の子音が含まれています。
このうちの『n』は『口を開いたハミング』であり、
ウォームアップとして、または母音として真っ先に取り上げました。
("スザンナの歌い出し①"中、"練習あるいはウォーミングアップ")
~5つの子音①『r』~
最初に登場する子音『r』は、日本語のそれと近いので、
あまり考えなくても大丈夫だと思います。
語頭ではないので巻き舌にせず、
ドラゴンボールの孫悟空が自分のことを『おら』と呼ぶように、
明るく『おーら』と発音すれば大丈夫です。
間違ってもヤンキーがガンを飛ばしながら言う『オーラ』にならないように…。
舌の位置や舌の使い方が『r』に一番近い子音は『d』ですが、
『おーだ』と発音すると『だ』の『あ』の母音が、『おーら』と発音した時よりも
狭くなりがちです。
『おーだ』の『だ』の『あ』の母音を『おーら』の『ら』の『あ』の母音と同じ質にしましょう。
逆に言えば、『おーら』は『おーだ』の先生です。
深く考えずに『r』を発音します。
~リボ払い唱法~
『おー』を伸ばしている間に、固まってしまう時があります。
そうすると、『おーら』と自然に発音できなくなります。
8分音符でレドと『おら』を演奏してみましょう。
『ら』の『r』を構えている時間がないので、
自然に発音できるはずです。
レドレドレド『おらおらおら』と遊んでみてもいいです。
あっという間に『r』が過ぎ去ってしまうので、
自然に発音できるはずです。
『おら』と同じクオリティに、『おーら』の『ら』も揃えます。
コツは、『おおおら』のつもりで演奏すること。
『おーー』と思っていると、『ー』の間に何もすることがなく、
息が止まってしまう場合があります。
息を流し続けることが重要です。
『r』のギリギリ直前までは『お』なのです。
8分音符に分割して全てをタイで繋いでいる気持ちで、
『おおおら』と演奏します。
それでもうまくいかなかったら、16分音符に分割して、
『おおおおおおらぁ』と演奏します。
すべての『お』はタイで繋げば、付点4分音符のように聞こえます。
それでもうまく行かなかったら、32分音符、64分音符…。
マシンガンのように、『お』を打ち続けてください。
月々定額を支払うリボ払いのように、
同じ大きさの音符を重ねていくので、
私はリボ払い唱法と呼んでいます。
~3拍目から始まるフレーズ~
さて。
このフレーズが3拍目から始まっていることを思い出しましょう。
歌い出すためのブレスをしたら…
ほら。何も考えなくても、ふうっと『Ora』が歌い出せました。
アクセントもついていないし、
イタリア語がわからない人にも、"何か"が伝わるでしょう。
あとはこのOra先生の導きにより、歌い続けていくだけです。
これで、満足と(^^♪