小説家、精神科医、空手家、浅野浩二のブログ

小説家、精神科医、空手家の浅野浩二が小説、医療、病気、文学論、日常の雑感について書きます。

アントニオ猪木、対、ウィリー・ウイリウムス

2010-10-22 05:06:59 | 武道・スポーツ
アントニオ猪木が異種格闘技で色々な格闘家と戦った。
ウィリー・ウィリアムスとの戦いが一番、大きな戦いだっただろう。あれは、引き分けになってしまった。しかし、あれはウィリーの戦い方の間違いである。
一言でいって、ウィリーはアントニオ猪木に勝てたのである。
ウィリーは、遠くの間合いから、明らかに、相手にとどかないとわかる蹴り、や、連続技を出している。観客が見ているから自分の蹴りを観客に披露したいという邪念が入ってしまっている。これが、まず第一の誤り。格闘においては、そういう雑念は一切、捨てなければならない。第二の誤りは。ウィリーは、自分が空手家だから空手のパンチとキックによって空手の戦い方によって戦わなければならないという固定観念を持ってしまっていることである。これが第二の誤り。自分が空手家だからといって、パンチとキックだけで戦わなければならない義務など全くない。ウィリーほどの体格と体力があれば、別に普段、つかみあいの戦いをしていなくても猪木に飛びついて、猪木をつかまえることだって出来ただろう。つかまえてしまえば、もうウィリーのものであり、膝蹴り、や、肘打ち、頭突き、などで効果的に猪木にダメージを与えることが出来たはずた。こういうふうに戦いに雑念が入ってしまったり、自分が空手家だから、空手の戦い方で戦わなければならない、という変な固定観念を持ってしまったから、実力的には猪木に勝てたのに、引き分けになってしまったのである。蹴る時は、明らかに当たらない間合いから蹴るのではなく、確実に蹴りが当たる間合いまでつめて、蹴らなくてはならない。しかし、そうすると見栄えが格好良く見えないから、映画みたいな、相手に当たらない遠くの間合いから蹴っているのだろう。これは、観客に格好いい蹴りを見せようという雑念によってしまっている。こういうファイターを機械的ファイターという。

一方、ブルース・リーは映画では、見栄えが良くなるよう、遠くの間合いから蹴りを出しているが、本当の格闘となれば、一切の雑念や固定観念を捨て、敵にダメージを確実に与えられる最も有効な攻撃を一瞬の内に反射的に選択する。それが地味であっても、そんなことは全く念頭にない。つまりブルース・リーがよく言う、「考えるのではなく、感じている」のである。こういうファイターを頭脳的ファイターという。

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最強の格闘技は何か?

2010-10-22 02:51:10 | 武道・スポーツ
「最強の格闘技は何か」という疑問の一文がある。これは全くナンセンスな文である。フルコンタクト空手が最強だ、という人がいる。これもナンセンスな考えだ。しかし世間では、フルコンタクト空手が最強と思われている節がある。しかし。もしも、ウェートが同じ人で、同じ期間、フルコンタクト空手を訓練して身につけた人と、アマレスを訓練した人が、ルール無しの戦いをしたら、アマレスの人の方が勝つ可能性が十分ある。と思う。空手は敵と密着しては戦えない。密着していはパンチもキックも出せない。ある程度、離れた距離がなくては戦えない格闘技である。アマレスは相手と取っ組む格闘技である。特に、正面よりバックをとろうとする。アマレスの選手は訓練によって非常にすばしっこく動ける。また、相手を取り押さえた場合、腕力と技術によって相手を動けなくして固めてしまうことが出来る。さて、空手の選手では、アマレスのこういう訓練をしていないから、相手をつかむ、すばしっこさも無いし、取り押さえた相手を、動けなく固めてしまう腕力も技術も無い。だから、空手は、つかまえられてしまったら、もうおしまいである。

勿論、アマレスの選手は、柔道のような投げ技、崩し技、関節技の技術は無い。だからアマレスが最強の格闘技とも言えない。結論から言えば。わかりきったことだが、一人の人間が、空手とアマレスと柔道の三つを身につけることは出来る。倉田保昭がいい例である。氏は、空手と柔道と合気道の三つを完全にマスターしている。映画のアクションでは、キックとパンチの戦いが見栄えがいいから、柔道や合気道は使っていないだけである。またボクシングも、最もケンカに近い格闘技である。空手とボクサーが戦ったら、ボクサーが勝つ可能性は十分ある。

だから「最強の格闘技は何か」という疑問の文はナンセンスであって、「より多くの格闘技を身につけている人が最強の格闘家である」というのが正解だと思う。ただ、人間は時間の制約の中で生きている。よほどの格闘技マニアでない限り、世の全ての格闘技を身につけることは時間的に不可能である。だから「ある一つの格闘技だけを身につけて戦うとしたら、最強の格闘技は何か」というように、言葉を足せば、それはナンセンスではなく、立派な疑問の一文となる。

ブルース・リーは、映画では、パンチとキックを主武器として戦うファイターのように見えてしまう。しかし、それは映画で見栄えが良いからしているのに過ぎない。「燃えよドラゴン」のオープニングで、サモ・ハン・キンポーと少林寺で戦うシーンがあるが、あれこそがブルース・リーが本当のケンカになった時に戦う戦い方だと思う。あの戦いでは、ブルース・リーはキックは低い蹴りを二回しか出していない。ボクシング的なパンチと相手の腕をとって合気道的な投げ方をして、最後は関節をきめている。

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鬼コーチ

2010-10-22 00:39:29 | 武道・スポーツ
市民体育館で、3百円で、一日、マシントレーニングをする事が出来る。ここは、体の全ての筋肉を鍛える色々なマシンが、ほとんど全部、揃っている。最近は、二時間とか、時間を決めて、有効に出来るようになったが。前は、続かなかった。それは、一人でやるトレーニングだから、疲れて休みたくなったら、いつでも休めてしまうからである。これを続けられるようになる有効な方法は一つ。鞭を持った鬼コーチに監視される、ようにする事である。マシントレーニングには、別に技術など必要ない。必要なのは、本人の続ける意志だけである。だから意志薄弱だと、マシントレーニングは続けられない。それを克服するには。鬼コーチの存在が必要なのだ。「ダンベル100回やれ。出来なかったら、ぶっ殺すぞ」とおどす人間の存在が必要であり、また、そういう人がいてくれれば、マシントレーニングは続けてやることが出来るのだ。そうすればボディービルダーのような肉体になることも出来るのだ。しかし、現実には、そういう人はいない。だから、金、払ってアスレチックジムに通うのだろうか。会員制のアスレチックジムには、そういう、鬼コーチがいるのだろうか。しかし会員制のアスレチックジムで、会員に、「ダンベル100回やれ。出来なかったら、ぶっ殺すぞ」という指導員がいる光景は想像できない。一体、どうなっているのか?

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