かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

渡辺松男の一首鑑賞  345

2021-10-29 20:02:57 | 短歌の鑑賞
  渡辺松男研究41(2016年8月実施)『寒気氾濫』(1997年)
     【明快なる樹々】P139
      参加者:泉真帆、M・S、曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
      レポーター:渡部 慧子    司会と記録:鹿取 未放


345 それぞれにそれぞれの空のあるごとく紺の高みにしずまれる凧

    (レポート)
 「紺の高みにしずまれる」と凧の様子の不思議なしずもりを把握していよう。だが、凧は凧のみの力で空にあるのではない。物と物との関係を、言い換えれば見る側の認識を一首にした。(慧子)


      (当日意見)
★「凧は凧のみの力で空にあるのではない」は、風とかそういうことを言っている。紺の空だから
 夕方だろうか。(真帆)
★いや、信州の空なんかは昼間でも紺色です。(M・S)
★幾つかの凧が浮いている。空は一つなんだけれど、まるで一つの凧に一つの空があるかのように、
 紺色の空の高みに所を得てそれぞれの凧はしずまっている、というようなことかしら。(鹿取)

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