高野ムツオ/東京はついに迷宮蝉しぐれ

2019-08-04 22:50:58 | 青萄の第六絶滅期俳句
    …かくいへばとて、ひたぶるに閑寂を好み、山野に跡をかくさむとにはあらず。やや病身人に倦で、世をいとひし人に似たり。倩(つらつら)年月の移こし拙き身の科をおもふに、ある時は仕官懸命の地をうらやみ、一たびは佛離祖室の扉(とぼそ)に入らむとせしも、たどりなき風雲に身をせめ、花鳥に情を労じて、暫く生涯のはかり事とさへなれば、終に無能無才にして此一筋につながる。 . . . 本文を読む
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