爽快に駆け抜けた女の一生(上坂冬子)

2009-04-18 20:58:53 | こんなンで委員会
今朝の新聞で、ノンフィクション作家の上坂冬子さんが、(14日に)お亡くなりになっていたこと・・知りました。

あまりにも威勢の良い方だったので、ずっと死なないような気がしていました(←冗談ですよ!)

それほどのお年だと思っていなかったので、改めて記事を読みますと、78歳とか。。急なことだったのでしょうか。

上坂さんの本は大昔に一冊だけ読んで、その颯爽・溌剌たる元気印に感動しました。『何とかしなくちゃ』というタイトルでしたね。

これはTVの人気ドラマにもなって、ヒロイン役は藤田弓子さんだったと記憶しています。

上坂さんには、依頼原稿をいただきに上がって、一度だけお会いしたことがありました。その時は都内のコンパクトな、彼女のマンションへとお邪魔させていただきましたが。

微妙に家具や荷物が溢れているリビングで、充分な採光が取れないのか、昼間でも暗い感じでしたね。上坂さんはその時、40代前半だったでしょう。想像通りの、ふっくら系色白美人、威勢の良い小母様でしたの(笑)

以前に吉武輝子さんのお話の時も、似たようなことを書きましたけれど。。この業界の方々の特徴として、お話には、もったいぶった前置きや時候の挨拶・社交辞令などは無いのです。いきなり本筋・本題へ、という流れですね。

この時も初対面でしたが、話は「女一人暮らしのための、押さえておくべき防犯対策」、について跳んでいました。

確かにお茶を入れてくださったのですが、ゆっくり味わった記憶もなく、一気呵成~滑らかな’上坂トーク’に付いて行くのに、こちらは大わらわだったと思います。

彼女は初めトヨタ自動車に就職したそうで、’私はこれでも、ごく普通のOLだったのよ’とのことでした。いろいろ世間話をしてくださったのですが、何より一番覚えているのは、「洗濯物をベランダに干す時は、必ず男物のトランクスや靴下も、一緒に干しておいた方が良いのよ」、というアドバイスです。

・・アドバイスというよりも、命令形のレクチュアに近かったような。。(笑)

「私なんか、弟の下着を貰って来て一緒に干しているのよ、ホラ見てご覧なさい~ソコ!」と仰って、私がソファから振り返って窓の外のベランダを見ましたら、その通りに洗濯物が干してありまして、ちょっと顔見合わせて、お互いに笑ったりしたのでした。

あのように「火の玉」が燃えるように熱い人、なかなか最近の世の中に出てきていません、得がたい方だったと思います。葬儀などは、すでに近親者で済まされたということです。

これも「準備万端おさおさ怠り無し!」の、上坂さんらしいなぁ、と。また、享年を80歳(満78歳)として発表しておられたので、こういう細かいところももしかして’上坂流’?、とニヤリとなりました。ささやかながら当ブログにて、心よりのご冥福をお祈りいたします(合掌)


(※’桜散る’写真から ↓ウグイスカグラに差し替えます 19日・朝)



先日見つけたお花です ごく小さいのですが星の形で 不思議なお花だ
なぁと*^^*
繊毛のあるなしでミヤマウグイスカグラ もしくはウグイスカグラ と名前
が分かれるようですが ワタクシそこまでは覚えていません

鶯が実に集まってくる様を ’神楽(かぐら)’にたとえた という説
と他の説もございますが 今回はこれが宜しいかしら?と(='m') 分布は
本州・四国・九州 花期は4~5月 スイカズラ科だそうです





   にほんブログ村 小説ブログ エッセイ・随筆へ←クリックを 

コメント (10)    この記事についてブログを書く
« シリウスとメコノプシス・グ... | トップ | アカヤシオ(ヤシオツツジ)... »
最新の画像もっと見る

10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (なかぱ)
2009-04-18 21:17:11
上坂冬子さんがお亡くなりになったのですね。
久しぶりに新聞紙上で、お名前をみたような気がします。
吉武輝子さんのときも読ませて頂きましたが、
作家の暮らしなど、新聞やテレビなどで、
読んだり、聞いたりするだけですから、ブログで
読むと、興味深く感じます。洗濯物干すときなど
いろいろ気をつけなければならないことがあるのですね。
初めて聞きました。
私は落とさないように気をつけました。4階だったから
取りに行くの大変ですから。
返信する
なかぱさんへ (空見)
2009-04-18 21:37:44
ようこそ、こんばんは~

もうほとんど忘れていたことです。
上坂さんの訃報記事を読んで、驚きました。

お部屋にお邪魔した時は、ずーっと’女の一人暮らしは危険がいっぱい’という話題でした。

当時はあまり防犯など、ほとんど気にしない時代でしたから、今振り返って思いますと、上坂さんはそんな所もパイオニアだったのですね。

男性は特に気にしなくても良いのでしょうが、当時から「女性の暮し方・生き方」、上坂さんは何手も先を読まれた方です。
だらしなくなった現代では考えられないくらいの、まさに貞女の鑑のような。。

コメントをありがとうございました
返信する
woman of womans (だんだん)
2009-04-19 00:27:48
再びお邪魔さまです。
お会いになった空見さん、格別な思いがあるのでは。
いわゆるドキュメンタリー作家として生きた方は、豪快な人が多いですね。

上坂冬子さん、吉武輝子さん、砂糖愛子さん、澤地久枝さんもね。
現在、その先鋒にいるのが寂聴さんかな。
女を勇気づけてくれます…今後、あとに続く人がいるのかしら?
歯に衣着せぬ物言いは、読む者に爽快感を与えてくれました。
返信する
だんだんさんへ (空見)
2009-04-19 01:07:43
こんばんは~、だんだん

>上坂冬子さん、吉武輝子さん、佐藤愛子さん、澤地久枝さんもね

彼女らに共通しているところがありますよ。
一見外に向かって意見している風に見えますが、実は自分自身に対して、絶え間なく’叱咤激励’’熱きエール’を贈りつづけているのです。

私が若い頃、興味を持ったのは「神近市子」でした。本で読んだ人が、当時、まだ生きていることに驚いたのでした。(35年前です、とても失礼な話ですね)いつの日か、書くことでしょうか、と思います。オヤスミナサイ・・手打ちのお蕎麦が食べたい、苦いマーマレードも(ウソ)(笑)
返信する
ご冥福をお祈り申し上げます。 (モカ)
2009-04-19 01:46:18
上坂冬子さんがお亡くなりになりましたことはTVで知りました。
竹を割ったような上坂さんの歯に衣着せぬ物言いにスッキリしたものでした。
そういえば、ここしばらくお名前を聞いておりませんでした。
今、記事を読ませていただいて、あのような男勝りの方が(そう見えました。ごめんなさい)、
普段の生活で洗濯物ひとつにも気を使っていらしたとは想像もしておりませんでした。
ふつうの可愛い女性であったいうことを今、知りました次第です。
いずれにしましても、時代とともに作家さんも変わっていくような気がいたします。
女性をも惚れ惚れさせる上坂さんのような方の出現は残念ながら、ないような・・・とも思えます。
上坂冬子さんのご冥福をお祈り申し上げます。
返信する
Unknown (流星)
2009-04-19 07:33:25
また一人、惜しい方が亡くなったのですねぇ・・・
私は活字中毒で雑読しているので上坂さんの本も2~3冊は読んでいると思います。
にしても・・・空見さんも出版業界に居たのね!!
やっぱり、、。。。
だから私たち、共通点があるのかも!!
また、当時のお話を聞かせてね♪♪
返信する
モカさんへ (空見)
2009-04-19 10:19:24
おはようございます

心温まるコメントを、ありがとうございました。
上坂さんについては、その後の活動はよく存知なかったのですが、何か過激な感じを受けておりました。あぁそうなの~、というような傍観的な。。

ワタクシの受けた印象では、しっかり者の’武家の妻’という、雰囲気・佇まいの方でした。実生活では、結婚されていなかったと思いますが。。

私などただの会社のお使いで、たまたまお会いできたような訳ですが、何かあれば親身になって相談にのってくださるような、心優しい感じを受ける女性でしたよ。

いろいろのお気遣い、またありがとうございます

返信する
流星さんへ (空見)
2009-04-19 10:28:12
おはようございます~

折に触れ、思い出したことをポツポツと、このように書いたりしますので、お許しくださいね。

私など、会社の先輩に言われたお使いで、このようなことをしておりました。短期間のアルバイトのようなものです。

それでも、当時の有名な方々の、素顔に少しでも近づけたこと、貴重な体験だったと(今にして)思います。

流星さんも、似たような環境におられたのですか?こちらこそ、色々お話を聞かせてくださいませ。お忙しいのに、ありがとうございました
返信する
Unknown (ディック)
2009-04-20 21:35:22
ウグイスカグラ、見たことがありません。
上坂さんの記事、なかなか味わい深く読ませていただきました。
返信する
ディックさんへ (空見)
2009-04-21 14:09:05
こんにちは

ウグイスカグラ、私も今回初めてでした。
知らないお花って、気が遠くなるくらい相当数あるのでしょうね。
拙い記事を読んでいただいて、感謝いたします
返信する

コメントを投稿

こんなンで委員会」カテゴリの最新記事