杉山久子第五句集「栞」2023/9
利かん気の人を遠目に猫じやらし
イワシショー果てて秋思のごときもの
病めるときも健やかなるときも冬木
白南風や流木をもて描く○
汗の手に殺虫剤の「殺」光る
鳥帰るつまづく我を置き去りに
芭蕉吹き揺らしドクターヘリ離陸
水の玉地球と呼ばれゐし朧
蜘蛛黒く太りたる嵌め殺し窓
黒山羊の足首白し夏はじめ
自転車で来て素麺をおかはりす
三日月を栞としたるこの世かな
「特養」の検索履歴かぎろへり
能面に怨の兆せる櫨紅葉
枯れ尽くし絡み尽くせしものに日矢
杉山氏には日溜まりがよく似合う ような気がする 代表句にも「小鳥来る旅の荷は日にあたたまり」がある 私も彼女の句にずっと触発されてきた経緯があり 過去一番好きだったのは 「肩凝つてをるではないか穀象」 このレベルを目指して今まで俳句を続けてきたのだが…むしろ遠ざかっているのかもしれない ようにも思われる
日矢にひっそりヤマジノホトトギス↑久々の邂逅~
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