ばあさんが、これを読んでみろとばかりに机の上に置いていった本。
上巻の裏表紙に書かれた内容紹介。
作者プロファイル。
初めて読む作家で、どんな小説を書くのかの前提知識が全くないまま読み始めました。
最初は、ん?これは日本版の若草物語か?と思い、
読み進めていくうちに、ん?これは富裕層版のサザエさんか?と感じました。
時代をが進んだと思えば遡ったり、背景を変えながらそれぞれの家族の物語が綴られていきます。この物語に、主人公はいません。強いて挙げれば柳島家という「家」が主人公でしょうか。
わたしのような、固定観念に捕らわれた庶民にとって、柳島家の人々の生き方は爽快で、細かいことを気にしてもしょうがない、という気分にさせられます。破天荒な生き方の彼ら彼女らには、どろどろした人間関係はありません。この本は、大人のための童話(矛盾した表現だけど)なのではないでしょうか。
タイトルの「抱擁、あるいはライスには塩を」というのは、読む前にはまったく意味不明です。おそらく作者は、タイトルを「抱擁」にしようか「ライスには塩を」にしようか、どちらがいいかと考えた上、えい、両方つけちゃえ、と決めたような気がします。いずれのタイトルもこの本にしっくりきます。ちなみに、「ライスには塩を」の意味は、上巻の最後でわかります。
自分から進んで読むことはぜったいに無さそうな本ですが、なかなか楽しめました。
特に面白かったのは、寿司屋ケータリングの1976年春、かな。
意表を衝かれ、なるほどそうくるのかと思ったのは、絹の章である2000年初冬、です。
初出はSPUR。集英社が発刊している女性向けファッション雑誌だろうです。当然ながらわしは読んだことないです。
書誌情報。文庫化は2014年。
p.s. たんぱく質が多いけど魚食だからよしとしよう。カリウム抑えている分、野菜不足。
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