首都直下地震想定 8都県市合同訓練(産経新聞) - goo ニュース
地震災害訓練に必要不可欠なのは災害をイメージして訓練を行うことだ。2001年に災害危機管理研究会から発刊された「災害時の危機管理訓練ロールプレーイングマニュアルBOOK」は演習のノウハウをまとめた画期的な本だ。既に書店からは消え、公共図書館、古本で読むしかないが、図書館貸出記録を見ると多数の人がこの本を読んでいることがわかる。
自治体、企業、病院もこれまでの災害訓練の方式をマニュアルの確認、講演会、伝言ダイヤルのテスト、非常食の試食会等の断片的、受身的な演習ではなく、ロールプレーイングを採り入れ、そのとき自分が何をすべきかを地震災害シミュレーションに基づいて訓練していく方式に変えている。事業継続計画は地震発生と同時にスタートし、いち早く、自動的に実行に移す計画でなければならない。すべて行動指示を待つことを前提とした計画では、通信障害が確実な状況で代替手段が確実にないかぎり指示が伝わらず、実行に移行できず事業継続は断たれる。
粗悪な計画例として、①人員の非常参集を自動とせず、連絡を待って発動されるケース、②非常参集場所を本社1カ所としているケース。①では通信遮断を想定していない。この方式では責任者、非常人員を全員1カ所に居住させるしかない。②では首都直下地震の場合、震源地である東京都内の本社に集まることを想定するより、首都圏各地に住む人員の分布をあらかじめ把握しグループ分けし、その近隣に集合させる方法もある。
すべてうまくいく計画は難しいが、現実を直視し、適時マニュアルを見直していくことが必要である。最良のマニュアルとなるためにも、第三者機関が評価した各自治体、企業のマニュアル実行力ランクができる制度があってもよいのではないか。