政府の地震調査研究推進本部が公表している海溝型地震、活断層の長期評価により、その平均発生間隔、最新発生時期をもとに簡易的に各地震の次期発生年代を推測してみた。
南海トラフの巨大地震は3つの大地震(東海地震・東南海地震・南海地震)が連動する可能性があるとされ、そのうち今後30年以内に60%程度の確率で発生するとされる南海地震(M8.4前後)は、単体で発生するとした場合には平均発生間隔によると2060年代または時間的予測にもとづくデータでは2040年代前後に発生することになる。
東南海地震(M8.1前後)は今後30年以内に60%から70%程度の確率で発生するとされ、2060年代または2040年代前後に発生し、東海地震(M8程度)も今後30年以内に87%の確率で発生するとされるが、前回の1854年安政東海地震から156年が経過し、平均発生間隔118年を超えており、単体で発生する可能性よりも3つの地震が連動して発生する危険がある。
南海トラフ巨大地震は我が国にとって切迫した大地震のリスクといっていいのではないか。津波被害も大きいことから、真剣な減災対策の実施が必要だ。
一方、太平洋沿岸の三陸沖から房総沖の地震をみると、平均発生間隔が南海トラフに比べ周期が短い地震の切迫性がわかる。
今後30年以内に99%の確率で発生するとされる宮城県沖地震(M7.5)は、平均発生間隔が37.1年と前回の1978年からすでに31年が経過し、このような高率となっている。2010年代に発生する可能性が高いため、対策を急ぐ必要がある。
他にも三陸沖北部のプレート間地震(M7.1からM7.6)は平均発生間隔が11.3年、茨城県沖地震(M6.7からM7.2)は21.2年で2008年5月にM7.0の地震が発生しており、次回はおよそ20年後の2030年代前後と予測される。
<参考図:地震調査研究推進本部 主な海溝型地震の調査結果(2010年1月12日現在)>