農林水産省が公表した東日本大震災による農林漁業への被害総額は約2.3兆円とされている。福島原発事故による風評被害等は見積もられていないと思うが、自然災害では過去最大規模である。
大津波で流され破損した漁船は2万5千隻、被害額は1,684億円にものぼる。その損失を補償する制度として、国が再保険を引き受ける漁船損害補償制度があり、殆どの漁業者等は漁船保険組合を通じて保険に加入し、漁船保険組合は再保険の中核である漁船保険中央会に再保険し、国へ再々保険に出している流れだ。今回の大津波による被害の保険金支払いは国の積立金を上回るため、国は一般会計から補てんする。
さらに農業への補償制度も充実しており、国の全面的なバックアップにより各種共済が地震・噴火を含む自然災害による損失を補償している。
国民全部を見渡した場合、農林漁業の一定の業種だけが保護されているように見受けられることは確かだが、国民の食の確保、食の安全を守るためにも国の全面的な支援は必要だ。この制度をもとに自然災害だけでなくあらゆるリスクを負う国民の安全を守る国営の国民共済等が存在してもいいのではないだろうか。
<農林水産省 東北地方太平洋沖地震の被害と対応>
http://www.maff.go.jp/j/kanbo/kihyo02/fukkou/pdf/zentai.pdf
http://www.maff.go.jp/j/press/keiei/saigai/110824.html
<漁船保険中央会>
http://www.ghn.or.jp/index.html
<全国広域漁船保険組合>
http://homepage2.nifty.com/zenkoku-kouiki/
<農業災害補償制度>