今朝の日本経済新聞1面に興味深い記事が載った。「地震保険、補償を拡大 部分損壊、支払い増額も」の記事だ。今回の東日本大震災で1兆円を超える保険金支払いとなったが、地震保険の運営に赤信号がともりはじめている。
記事を読むと何か地震保険が改善される錯覚に陥るが、よく読むと「保険料の値上げ」を筆頭に契約者側に不利な項目が多い。
「耐震性の高い住宅には支払う保険金の上限を引き上げる」は別の読み方をすると、耐震性の高い住宅は保険金が支払われるほど被害にあうのか?むしろ保険金額を増額すれば保険料が多く入り、保険会社の収益、ほかの耐震性の低い契約者への保険金支払原資になるのではないか。
「免震構造や建築年数に応じ保険料をさらに割り引く」とあるが、現在、その確認資料に制限があり、外見が新築でも、免震構造の建物でも数十万円の住宅性能評価書等の確認資料提出がないと割り引かれない。実質、割引できないのと同じ。これも多く保険料が保険会社に入る仕組みだ。また、会社の社宅にも地震保険がつけられると聞く。上場企業でも保険会社でも、賃貸マンション経営の不動産業でも地震保険に入れて保険金がもらえる。地震保険は個人の被災者救済ではないのか?
国営の火災・地震保険を創設し、民間保険会社利益にならない被災者救済のための安定した制度が必要であり、これこそが抜本見直しではないだろうか。