欠陥建築バスターズ

土地・建物の調査研究が専門。日本の地震や災害に備えた建築や、不動産市場や世界経済の未来鳥瞰について述べています。

不動産は、売れた値段が正しい価格→評価額は高すぎる値段

2019年12月01日 12時34分41秒 | 悪質不動産

不動産が売れないです。

 

売れない状況については、不動産のサイトをご覧になるとわかると思います。

 

全く売れないので、同じ物件(新築・中古・土地)が、いつまでも掲載されています。

 

「相変わらず、この家、売れないな」

「この物件、3年前から売り出してるが、まだ売れない」

そんな状況です。

 

不動産業界には、誰も買わない物件たちであふれています…

 

戦後、昭和の高度成長期には、『家を買って一人前だ!』という思想がありました。

 

若者たちは家を買う目標を持ち、無理してでも家を買ったものです。

 

その時代には、『家(不動産)は資産』だと考えられていました。

 

一般的に資産というのは、預貯金であったり、株式であったり、金地金であったり、これらが資産と呼びます。

 

当時は、資産のなかに、不動産も入っていたのです。

 

1軒家であれば、その資産価値は、平均3,000万円と試算されたでしょうか。

 

しかし、なにゆえに、3,000万円なのか?

 

 

「土地の評価(1,800万円)と建物の評価(1,200万円)で、だいたい3,000万円ぐらいだな」という感覚で、計算されていたのです。

 

これは、固定資産の評価額や、不動産鑑定士など、誰かが勝手に決めた数字をもとにしたものです。

本当であれば『売買ができる価格』こそが、その事実たる、真の資産価格なのです。

 

 

現在では、3,000万円で売ったって、売れないでしょう。

 

2,000万円にしても売れないのであれば、1,000万円に値下げして売ります。

 

でも、1,000万円でもまだ売れないのであれば、800万円に値下げします。

 

800万円で売っても、誰も買わなければ、500万円に…

 

500万円でも売れないので、遂に200万円まで値下げしても、まだ売れない…

 

要するに、誰も買わないのであれば、その不動産は0円の価値です。

 

40年ほど前、5,000万円で購入したマイホームが、現在では、誰も買い手がつかなくて、その価値が0円であるという現象が、今の不動産の状況です。

 

0円ならまだいい。

 

「株も暴落したら、ただの紙きれになるから恐ろしい」なんて言われていますが、不動産はもっと恐ろしい!

 

不動産は、毎年、固定資産税がかかります。

建物は経年劣化していくので、メンテナンス・管理もかかります。

周囲・近所に迷惑にならぬよう、敷地内にある木々の手入れや伐採・雑草の管理も必要です。

 

株は下落したらそれでおしまいですが、不動産は下落して価値がなくなっても、税金と諸経費と労力が、永遠にかかり続けるのです。

 

不動産は、持っているだけで、お金と面倒がかかるものなのです。

 

さらに近年は、毎年のように大型の台風が日本を襲うようになったので、台風被害で、家が壊れるという現象も多発しています。

 

屋根の補修など、家の補修費というのは、莫大な費用がかかります。

 

お金を失い、住まいを失い…

 

はっきり言って、『不動産は、金食い虫』です。

 

昔は、不動産を所有していたのは、資産家たちでした。

財閥とか商家とか地主などです。

 

彼らは、多くの資産を持つ人たちですので、不動産の一つを失ったところで、痛くも痒くもありません。

 

それが、戦後の昭和の時代、住宅メーカーが仕掛けた『マイホーム信仰』が起こり、マイホームを借金して(ローン返済で)購入することが当たり前だと洗脳されました。

 

そして「不動産は資産であるから、借金してでも買え」と、洗脳されてしまいました。

 

その結果、労働者たちも不動産を持つようになりました。

 

不動産購入は、株以上に、危険なものですので、資産のない者が手を出すべきではありません。

 

不動産で人生を台無しにしないよう、安易に購入してはいけません。

 

意外に、賃貸で生活している人たちの方が、縛りもなく、幸せなのではないでしょうか。

 

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