読む日々

テーマばらばらの読書日記

恋細工

2012-06-08 | 
西條奈加「恋細工」

錺職「椋屋」の娘、お凛が主人公。

4代目の義兄が亡くなり、5代目を選ぶのに3年待て、との遺言。その義兄は、渡り職人の時蔵を雇え、と言い残す。

時蔵は職人ではなく芸術家。その時蔵が入った事で、みんなの意識が変わり・・・

悪名高い、水野改革を背景に、錺細工にひたむきに懸けるお凛と時蔵の関係を描く。


結構深くって、一言で感想は書けないけど、たびたび涙も出るし、かなり面白い。
お凛が時蔵に惹かれていく様子、逆に人間嫌いの時蔵がお凛だけには特別な感情を抱く様子、そしてそのことで人として一皮むける経過がいいです。

最後はせつないけど・・・

表紙の絵が、まさに「お凛」という感じでよかった。



満足度95