読む日々

テーマばらばらの読書日記

羊と鋼の森

2017-03-07 | 小説・現代
「羊と鋼の森」宮下奈都



久々に本の記事!!

友達が、「面白かった〜」と教えてくれて、ん?どこかで聞いたタイトル?と思ったら、山﨑賢人主演で映画化される原作じゃん!

慌ててAmazonから中古探して購入。

主人公の外村くんを賢人くん、外村くんが調律師を目指すキッカケとなった大先輩、板鳥さんを三浦友和さん、に、脳内で置き換えて読んでしまった。

高校の体育館のピアノを調律に来た板鳥を、担任に頼まれたまたま案内した外村は、板鳥が調律して叩いた鍵盤の音に魅せられ、調律師を目指す。

地元の楽器店に無事に就職し、板鳥はもちろん、もっと歳の近い先輩達について回りながら仕事に邁進していく。

とある家の双子の姉妹。華やかな演奏の妹と、静かな音を出す姉。外村だけは、いっぺんで姉の出す音に惹かれる。

あくまでも、人ではなく音に惹かれる。

あることをきっかけに双子の役割が変わっていく。それを支えたいと願う外村。

山育ちの外村でしか掴めない何か。その何かを感じて選考試験で推してくれたのは板鳥だったと最後で明かされる。


泣きっぱなし。ストーリーに泣くわけではない。なんだろう、底を流れているもの、人生は誰にとっても素晴らしい、なんだってその人を形作るのに役立っている、という感覚。そして、外村という人の全てに惹かれるというか。 
本の中で彼を表す言葉としていくつかあった。
こだわりがなく、
まっとうに育った素直な人、
どんなことも無駄はない、と飄々と言える人。
弟への少しだけ妬ましい思いを、森の中を一人で歩いてるときだけはゆるされている、と感じる人。

これは映画化が楽しみすぎる。
外村の単純なようで複雑な内面を、賢人くんがどう演じるのか❓

役になりきれる人だから、演じようと思わずともしっかり外村になるんだろうな、とは思うけど。

本自体、本当に面白いので、たくさんの人に読んでもらいたいな♪

満足度500くらい。