読む日々

テーマばらばらの読書日記

海の見える理髪店

2017-05-22 | 小説・現代
荻原浩「海の見える理髪店」





かなり前に予約していて、相当な人気だったようで、すっかり忘れたころに「ご用意できました」メールが図書館より届いた。わーい。



家族がテーマの6編。


・海の見える理髪店  誤って人を殺し、服役前に離婚した父が開いた理髪店へ、素性を隠し訪れた主人公。世間話で父の人生を知り、父はツムジで息子と知る。

・いつか来た道    毒母と絶縁した娘。弟から連絡があり16年ぶりに実家へ。認知症になった母の知らなかった一面を知る。

・遠くから来た手紙  夫に腹を立て実家へ。昔自分が夫からもらった手紙を読んだ妻。

・空は今日もスカイ  離婚し父を亡くし母の実家で虐げられ、海を見にひとりで旅立った少女の一日。

・時のない時計    父の形見の時計の修理を依頼した時計屋で店主と話しながら浮かぶ過去の日々。

・成人式       事故で亡くなった娘の成人式を体験することで娘の不在を乗り越えようとする夫婦。



一番泣けたのは表題作だけど、家族愛がテーマの本はとにかく泣ける。
重松さんとはまた違った切なさ。

空は今日もスカイ、が、今一つ救いがないように感じた。


満足度80


老眼が進み、読書が切なくなってきた今日この頃・・・。