読む日々

テーマばらばらの読書日記

空き家再生ツアー

2011-08-26 | 
「空き家再生ツアー」岸本葉子


50歳前後の独身女性6人が主人公の連作?短編。
前に出てきた人や店が、後のお話でちょっとずつ被ってきたりする。


・「明日も歩く」幸子という保険会社庶務勤務の女性。今までうやむやに逃れてきた営業研修に突然2週間行かされる羽目に。
真面目に辞めようかと一瞬悩む辺りが切ない。→私も、異例の異動で今の部署に来たので、現場研修がうやむや        なってたりするどっきり。

・「温泉日和」 治子という、9年間の不倫を、ある時相手が死んでも気づかないまま連絡を待つのがつらい、だったらキッパリ
さよならしたい、というワリに、自分はフェイドアウトしちゃった女性。陶芸仲間と温泉に。その人達との関わりで、独身アラフィフにはいろいろあるんだという事を感じとる。→いまいち、何が言いたいのかよくわかんなかった

・「分別さかり」頼子という、祖母と母の介護生活を終えて独り暮らしを始めた女性。上に出てきた陶芸教室に通う。(ただし温泉には行ってない)。同じ教室に通う、妻を亡くして母と娘と暮らす男性が気になりだす。→ストーリーよりも男性の仕事であり、頼子が学ぼうとしている「心理学」が、私も同じような思考回路で勉強したいな、と思って調べていて、同じような情報に出会ったばかりだったからビックリした

・「多生の縁」 朋子という、百貨店勤務の女性。上顧客のところへ謝罪に行ったら、その本人の葬式を老人ホームで始める時だ った。娘と勘違いされて・・・。→これが一番よかった。ホームの理事の女性がすごくいい。

・「長女の春」 直子という妹夫婦に父親の世話をさせっぱなしの女性。最初の話の幸子の友人。父親への親孝行のつもりで高級料理店の予約を取るけど、そんなのは親孝行じゃないって気付く。→私も長女。そして夫を亡くした妹が実家のすぐ近くに住んでたりする。なんだかこの長女のようになりそうだわ


・「空き家再生ツアー」篤子という、長く付き合った男とどうするか決めかねてる女性。東京から、(たぶん)尾道へ、移住を計画する為のツアーに参加する。→歳を取って、丘の上の一人暮らしってどーなんと、余計な心配をしてしまった私は新潟がいいです。でも歳とったら、山に住みたい。今は海の近くだけど、雨降りに木々の匂いがまったくしない環境がなじめません。山のふもと辺りに土地を買って、小さい畑で野菜や花を作ったり、山に入って森林浴したりする生活が夢。

なんだかんだと楽しく読めました。満足度85

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