「渋沢栄一 現代語訳 論語と算盤」 守屋 淳 訳
明治期に大活躍した政治家・実業家の渋沢栄一が残した言葉を弟子が拾い上げた書を、現代に甦らせるべく現代人にわかりやすく書き直した一冊。
最近は買ったり図書館で借りたりせず、知人から借りてばかりな怠惰な私(笑)
本のチョイスが、自分では絶対しなそうな今まで読んできたことがないジャンルのもので、それがまた読んでみたら新鮮というか、目から鱗な言葉で溢れた本が多いの。
児童書や恋愛小説はもう人生で浴びるほど読んできたから、そういうのは映画やドラマで楽しむことにして、しばらくはライフワークの絵本や、今まで知らなかった世界の探求に励みたい。
もう少ししたら古典には挑戦してみたいけど。原文で。
逸れた。渋沢栄一は、再来年の大河ドラマの主人公。今から予習しておくと楽しめそう。なつぞらの天陽役・吉沢亮くんが主役。
映画「キングダム」で素晴らしい一人二役、王様と影武者を演じきった彼なら、きっとリアリティに溢れた渋沢栄一を表現してくれるんだろうな、楽しみ。
で、この本はご本人が書いたものではなく、近くにいた人たちが、渋沢さんが話したことを書き留めたものらしい。お釈迦様のお経みたいだね。
なので、テーマというか本の進み方に明確な段落というのがなく、似たようなお話が前後して出てきたりする。(テーマとか言いたいことが似てるお話ってことですが)
読み終えて、一番「これがテーマかな」と思ったのが
・一個人の利益になる仕事よりも、多くの人や社会全体のりえきになる仕事をすべき、という考え方を、事業を行う上での見識としてきた。
・社会に多くの利益を与えるものでなければ、正しくまともな仕事とは言えない。
ということかな、と。それらを貫いてきたバックボーンに孔子の教えがあるんだよ、と。
ところどころ心に残った部分を記憶にとどめるためメモしてみた。
・お金はよく集めよく使うべし
・ただ生きてるだけでは「肉の塊」に過ぎない。何事にも情熱を持ち取り組むべし。
・現実に立脚した道徳こそ大事、理想だけでは行き詰る。しかし自分の事だけ考えていてもダメ。弱者に手を差し伸べタダ飯を食わすのではなく、貧しさを防ぐ方策こそが大事。
なので論語と算盤は一致するのだ。
ここは書名とも一致する部分。こっちがテーマか。だけどご本人のポリシーが一貫しているので、どこをとっても底辺に流れる物は一緒でブレない。
やはり時代を象徴するようなことを成す人物というのは、ブレないものなんだな、と感じた。
成長とか変革とかは絶対必要だしカッコいいと思うけど、そういうことではない、骨格というか魂の底辺というか、そういうものは一度固めたらブレない人が好きだな。
権力者が変われば、または風向きに合わせてフラフラ世の中うまく渡ろう、みたいな人格は好きじゃないな・・・。
どういえばいいかな、そう、自分に偽りのない生き方がしたい、自分の望みとか譲れない事とか、人に合わせて妥協して生きるのが嫌だ。
何が言いたいかわからなくなってきたけど、つまり渋沢栄一さんは、とっても大好きなタイプの人だった。
知れてよかった。
貸してくれてありがとうございます!
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