読む日々

テーマばらばらの読書日記

2015-10-05 | 
東山彰良「流」

直木賞受賞作、買っちゃった。中森明菜のファンの方のブログに、明菜のセカンド・ラブが効果的に使われている、と読んで、こりゃあ図書館の順番待ってられないわ!ってことで(笑)

台湾で生まれ育った主人公が、祖父を殺され、その真相を知りたいと願い続け遂に中国山東省の大地を踏む。

戦争が巻き起こす庶民の悲劇。中国は日本との戦争後泥沼の内戦を広げ国民党は台湾へ逃れたけど、そもそも庶民は国民党につくのも共産党につくのも義理や生活のためで。
そんな中で起こった悲劇が悲劇の連鎖を呼ぶけれど、最後は人間の信頼みたいなものと、明るい未来を感じられる終わり方でよかった。

明菜は、セカンド・ラブが日本のカーラジオから流れる描写と、あとは「恋も二度目なら」という章もあった。作者、明菜好きなんだろうか?だとしたら親近感。

人間関係がややこしいし、中国人は味方には優しくて敵にはどこまでも非情なのね、という辺りが理屈抜きに伝わってきた。これは日本人には書けないかも。

満足度90

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