読む日々

テーマばらばらの読書日記

母性

2015-12-30 | 
湊かなえ「母性」


女子高生が飛び降りたニュース。
母の追憶、娘の回想、興味を持った高校教師の見方。

てっきり飛び降りた子の話かと読み進めていたら、さすが湊かなえ、トラップ仕掛けてある(笑)

両親の愛を一身に受けて育った娘と、親の愛を感じられずに育った男が結婚し娘が産まれる。その家族に襲った不幸な事故から、幸せなお家はなくなってしまい、旧家である夫の実家へ入ったことから巻き起こる家族の心の崩壊から再生を通し、母の愛とは?親の愛とは?を語りかけるお話かなぁ。

我が家も母と祖母がダメだったので、板挟み&母を守らねば!と意気込む娘の気持ちがよくわかる。

小説は、その祖母も嫁いでからの夫への失望からおかしくなったらしいことが後半語られてる。
でも母は、自分の母が完璧過ぎたせいで姑と夫の親子関係が全く理解できない。
娘にとっても母方の祖母は完璧だった。そして悲劇なのは母が自分の母を恋うるあまり、ずっと立ち位置が娘で母親になれていない。
娘は色んな事を乗り越えて立派に成長していてハッピーエンドでホッとした。おそらく今年の最後の小説読みだからよかった。


うちの場合はお嬢様育ちの祖母と貧しい農家育ちの母との同居は誰が聞いても無理があっただけで、大人になってみればどっちもどっちだけど、子供というのは母親が絶対だからなぁ。
なんて事を思いながら読み進めた。我が家は別居で日々のトラブルはないから、息子は幸せだね(笑)
満足度100

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