読む日々

テーマばらばらの読書日記

渡されたバトン

2015-04-17 | 
ジェームス三木「渡されたバトン」

時間ない中に図書館へ読み聞かせの資料を借りに行き、ついでに自分が読むものも借りたい、と3分で選んだ2冊のうちの1冊。

新潟の巻原発建設が発案から36年かけて消え去るまでを、五十嵐家という割烹旅館・珊瑚家を営む一家を通し描いた本で、インディーズ映画にもなってたらしい。
巻町は現在、新潟市西蒲区の一部で、私は現在の秋葉区の出身。直線距離でも30キロくらい離れてると思いますが、子どもの頃から反対運動は秋葉区でも見聞きしてました。路上の掲示板に、万が一事故が起こればここまで放射能が辿り着く時間は○分、とか書いてあり、当時、巻町なんて知り合いが1人もいない、遠い遠い町、との認識だったので、そんな遠くからでもたったそれだけの時間で放射能到達する事に本気で恐怖を感じました。当時小学校高学年だったかと。

子供の頃から太平洋戦争関連のお話ばかり読みあさっていた私には、原子力なんて恐怖そのもので。どうしてこんなモノ作らなきゃいけないのか疑問でした。

が、途中省エネ省エネなんて騒がれ出して、教室でも節電したり。原発がないと電気がなくなりまーす、みたいな話もどこかで聞いたり。今思えば賛成反対両派の攻防が繰り広げられてた時代だったのかな。

反対派の熱意と、細かいところで様々不思議な展開(議会で賛成派が間違って逆の投票して1票差とか)があり、見事計画は頓挫します。何かの力が働いているとしか思えない展開。

いろんな人(主に政治家)が実名で登場しててそれも読みやすかったのですが、冒頭出てきた新潟日報社会部記者って今の新潟市長だけど、この人はそのあと登場しなくて、わざわざ名前だす意味はどこにあったのかな。市長は原発どうなんだっけ?知事が反対なのは有名だけど。

それにしても、福島であれだけの被害を出し、未だに解決しておらず誰でも怖さがわかる状況で、未だ原発推進しようとする政府って日本を亡くしたいんでしょうかね?原発稼働してなくても電気足りてるし。まだまだ減らしどころだってあるし。
私は夏の夜のエアコンやめたら体調良くなったけどね。

あ、話それた^^;

あとがきでは集団的自衛権についても触れてます。はい、私もジェームス三木さんの意見にまるっと賛同です。

巻町の方々本当にお疲れ様でした。もし巻原発が今頃存在したら、毎日ビクビクしながら子育てしてなきゃいけなかった。東北電力が巻原発諦めた頃、幼い息子の子育て真っ最中で、ニュースに触れてうれしかったの思い出しました。

血縁地縁の縛りが強い地域での反対運動、本当に頭が下がります。

満足度100

おとうさんは同級生

2015-04-11 | 
澤本嘉光「おとうさんは同級生」



45才のヤクザが、組長の孫娘を敵対する組の魔の手から守らん、と聖ミカエル高校へ入学しボディガードとなる物語。
かなり奇想天外な設定で笑えてなおかつジーンとできるなかなか良い本でした。

途中、孫娘は別れた妻が生んだ自分の娘に間違いない!!と確信する主人公。

そこにもまた様々なトラップがありかなり楽しめます。

そして親が子を思う気持ちがリアルに伝わってきて、そのあたり感動。


満足度100

桜庭一樹短編集

2015-04-03 | 
桜庭一樹「桜庭一樹短編集」


やっと本が読めた!!忙しかったけど2冊だけ借りて、で、やっと1冊読めた。

映画化で話題の「私の男」を書いた桜庭一樹の短編集。6編。

「このたびはとんだことで」
事故で亡くなった男が骨壺の中から妻と愛人の争いを眺める。怖い。あらゆる意味で。

「青年のための推理クラブ」
読者クラブに集う若者たち。よくわからない。

「モコ&猫」
大学で知り合った気になる大好きな女の子モコとのフシギな関係。好きすぎてつき合いたくない気持ち、わかるかも。

「五月雨」
吸血鬼一族の末裔が殺されるまでの顛末?漫画で読みたい。

「冬の牡丹」
幼い頃からチヤホヤされて頑張って生きてきたのに、大人になればそれらがあまり役にたたず、妹にあらゆる意味で越されたゃった姉。私も長女なのですごーくよく、わかる。なので切ない一編。

「赤い犬花」

11才の少年の、田舎でのたった1日の冒険で得たもの。
友情。成長。私の好きな話だわ。

満足度100