出来上がったドブロクは、
ろ過した後も、まだまだ発酵は進んでいく。
炭酸ガスがどんどん発生して
やわなペットボトルなんかに密封すると
蓋が吹っ飛んだり、破裂したりするそうだ。
ドブロクがかつて「爆弾」と呼ばれていたのは
こういうところからきているのだろう。
であるからして、保存しておく容器は、
少なくとも炭酸飲料のペットボトルにしなければならない。
もちろんきれいに熱湯消毒し、
できれば少量のドブロクで
共洗いもしたものであれば言うことはない。
そのために3日前からゼロコーラの
1.5リットルを飲み始めていた。
こうして飲み干した後の
ペットボトルに詰めたドブロクは
発酵を抑えるために
冷蔵庫に入れて保存するとともに、
時折蓋をチェックして
内圧が発酵してできた炭酸で高くなっていたら、
ふたをプシュッとゆるめる作業をしてあげないといけない。
出来上がってからも手間がかかるのである。
それと並行してdoironがさらに挑戦したのが
「杉玉造り」
造り酒屋などの軒先に緑の杉玉を吊すことで、
新酒が出来たことを知らせる役割を果たすものである。
「搾りを始めました」という意味もある。
これも瓶に仕込むと同時に制作に取り掛かった。
先ずは針金で芯玉造りをする。
硬めの針金を用意し、
それで円を4つ造り、
さらにそれを針金で固定しながら作った球体がこれ。
ネットで見ると本当の杉玉は
直径でこれの10倍くらいあるのだが、
いきなりそれほどの大物を作るのは無理というもの。
第一、杉が手に入らない。
手に入れようと思えば、
山へ拾いに行かねばならないが、
杉玉づくりには新鮮な杉が必要だとのことなので、
まさか、勝手に切ってくるわけにもいかない。
ではどうしたかというと、
実はドブロクづくりを決意した時から考えていて、
目をつけていたのがあるのだ。
それが庭の「ヒマラヤ杉」だった。
杉に変わりは無かろう、
これで杉玉が作れるんじゃないか、とね。
しかもなんと好都合なことに、
少し前からミセスに剪定も依頼されていたので
まさしく一石二鳥である。
喜んで剪定し、
「ありがとう」と感謝していただきましたが、
杉玉を作ろうとする段になって、
「はは~ん、やけに手早くやってくれたと思ったら
これが目当てやったのね」と言われてしまった。
「い、いや剪定しているうちに思いついたんやで」
とごまかしておいたが、
どうも魂胆は読まれているようだ。
そうして集めたヒマラヤ杉の小枝がこれ。
よしよしこれで材料はそろった。
あとは芯玉に詰め込んで成型するだけだ、
と意気揚々と取り掛かったのですが、
これが思わず苦戦。
枝が柔らかすぎるのと、
針金も意外に弱かったので、
刺しても刺しても抜けてくる。
「こりゃだめだ。やはり本当の杉が必要なのかなあ」
と一旦あきらめたのですが、
どうしてもあきらめきれず翌日再挑戦。
差し込んだヒマラヤ杉を釣り糸で固定しながら
根気よく作っていってようやくここまで出来た。
あとはこれをカットして
球体にする整形なのだが、
あまりカットすると抜けそうになったり、
アラが出てきたりするため、
ここまでで勘弁しといてもらおう
というところまで切りそろえたのがこれ。
何とか搾り始めには間に合ったようである。
ろ過後、こうして玄関に吊り下げると、
案外様になっているではあ~りませんか。
庭先でそれをしげしげと眺めていると、
ミセスが「しかし、とことん遊ぶ人やなあ」
とあきれ顔でつぶやいていた。
ところがしかしdoironの遊びは、
もうどうにも止まらない。
さらに筆と墨を持ち出して
ドブロク関連作業は続くのでありました。
続く