ハブ ア ナイス doi!

いつまで続くのかコロナとの戦い。
全て解放されて、もっと、もっと
心から楽しまないとねえ。

屋根の上の鍾馗さん

2013年01月16日 21時49分39秒 | 最近の出来事

近所の幼馴染で
メダカや金魚などの生き物が好きな
Tという奴がいる。
そいつは、doironの同級生の家の横に住んでおり
材木屋に勤める2つ年下の男である。

昨年末に同級生が、
家を建て替えるべく建物を
解体し、いったん更地にしたところ
そのTの家の軒下の
今まで同級生の家の陰になって
見えなかったところに
なにやら木彫りの物体が
取り付けられてあるのが
見えたんだそうだ。

遠目に見ると、そのすすけて古ぼけた物体は
何か人間の形をしているように見える。
もしかして

貧乏神

かもしれないと、
おびえたそうだ。

「あっち行け」と
石を投げても反応しないので
梯子をかけて近づこうとしたが
どうにも近寄れない位置に
その物体が鎮座しているのだそうだ。

Tのその家は
5~6年前に亡くなった彼の父親が
30年以上前に建てたものらしい。

材木屋で苦労をして
一生懸命働いても
一向にお金がたまらないのは
その貧乏神のせいかもしれんと
思ったそうだ。

なんとかせねばと思っていたところ
年明けに同級生の家が
立ち上がり、
その家の周りに足場が組まれたので
ぜひ、その足場を利用して
貧乏神の正体を探らせてほしいと
頼んで、足場から屋根にたどり着いたところ、
軒下のところに、木彫りの人形が
据え付けられており
写真を撮って調べてもらったところ
その正体が判明した。

「鍾馗さん」

とよばれる、彫り物で
京都の町屋なんかにはよくみられるもので
一種の厄除け、魔除けなんだそうだ。
沖縄でいうところの
シーサーみたいなものやね。

この辺りにはそういう習性が全くないので
家を建てる材木を扱っているTでさえ
そういうものとはわからなかったそうだ。
Tは「よかった、貧乏神ではなかった」と
ホッと胸をなでおろすと同時に
今は亡き親父が30年以上前に
そこに据え付けた時の想いを偲ぶと
とても懐かしい気がしたと言っていた。

30年以上の時を経て見つかった
彫り物が、貧乏神ではなく
魔除けであってこの件は一件落着。
それにしても
お金がたまらなかったかどうかは知らないが
男二人、女一人の子供を持って
長男は3年前、二男は今年青年団の
団長をするという子宝に恵まれた彼の
幸せは、きっとその鍾馗さんが
守ってくれていたからだろうと
我々はみんな思っている。

それがわが村で年末年始にかけて
起こったほのぼの出来事の一つだった。


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