ドンドンこにしの備忘録

個人的な備忘録です。他意はありません。

「戦百景 長篠の戦い」 矢野隆

2021年11月29日 15時38分00秒 | 作家 や行
戦百景 長篠の戦い (講談社文庫) 2021.11.26読了。
矢野 隆 (著)

戦国最強の騎馬軍団を膨大な数の鉄砲で打ち負かしたとされる「長篠の戦い」。だがそこには、それぞれの武将の深い思惑が働いていた。
長篠城の奥平信昌はどうして武田を裏切って徳川方についたのか。
内藤・馬場・山県ら武田の勇将たちは無駄な特攻をなぜ敢行したのか。
家康・酒井忠次主従は何を期して奇襲軍を出したのか。
信長が仕掛けた罠とは何だったのか。
勝頼は絶対的に不利な状況で、なぜわざわざ攻撃を仕掛けなければならなかったのか。そして、長篠の戦いの最大のヒーローとも言える奥平勢の足軽・鳥居強右衛門の活躍とは。
最強合戦の真実に迫る書下ろし歴史小説!



良く言えば、読みやすい。悪く言えば、軽い。
ストーリーが全部わかっているのもこの手の小説の弱点だ。どうなるのかわからないから小説は面白いんだし。
読んでいて、昔、流行った歴史ifジャンルのような感じがした。ifジャンルは結果が史実とはガラッと変わるのが醍醐味。あらすじ、結果がわかっているifジャンルぽいものとなるとなんとも面白みがない。ifジャンルにありがちなキャラクターが大げさなところどうだろうか。4点。

「死神の精度」伊坂幸太郎

2021年11月10日 19時33分51秒 | 作家 あ行
死神の精度 (文春文庫) 2021.10.9読了。
伊坂 幸太郎 (著)

1、CDショップに入りびたり、 2、苗字が町や市の名前であり、 3、受け答えが微妙にずれていて、 4、素手で他人に触ろうとしない。 ――そんな人物が身近に現れたら、それは死神かもしれません。1週間の調査ののち、その人間の死に〈可〉の判断をくだせば、翌8日目には死が実行される。クールでどこか奇妙な死神・千葉が出会う6つの人生。 日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞した表題作ほか、「死神と藤田」「吹雪に死神」「恋愛で死神」「恋路を死神」「死神対老女」を収録。



まず、死神の精度というタイトルが秀逸、そして死神のキャラクターがいい、死神がただ千葉というのもまたいい。軽く読めるのはいいが、物語にいまひとつ深みが足りない。唸るような短編はなかった。まあ、伊坂さんだからハードル上げちゃったのもありますが。6点。