ドンドンこにしの備忘録

個人的な備忘録です。他意はありません。

「消滅世界」 村田沙耶香 読了!

2019年10月30日 14時40分38秒 | 作家 ま行
消滅世界 (河出文庫) 2010.10.29読了。
村田沙耶香 (著)

セックスではなく人工授精で、子どもを産むことが定着した世界。そこでは、夫婦間の性行為は「近親相姦」とタブー視され、「両親が愛し合った末」に生まれた雨音は、母親に嫌悪を抱いていた。清潔な結婚生活を送り、夫以外のヒトやキャラクターと恋愛を重ねる雨音。だがその“正常”な日々は、夫と移住した実験都市・楽園で一変する…日本の未来を予言する傑作長篇。




村田さん初読みです。どうも前半から中盤にかけてのらない。なんだろ?途中で投げそうになったりもする。最終章に入ったとたん物語は急展開、そしてちょっと衝撃的なラストまで一気に。
常識とは何か? 普通とは何か? やはりいつもその辺、気にして生きていったほうがいいですね。100年前の常識は今では非常識ですからね。…5点。

「望郷」湊かなえ 読了!

2019年10月22日 19時30分29秒 | 作家 ま行
望郷 (文春文庫) 2019.10.22読了。
湊 かなえ (著)

暗い海に青く輝いた星のような光。母と二人で暮らす幼い私の前に現れて世話を焼いてくれた“おっさん”が海に出現させた不思議な光。そして今、私は彼の心の中にあった秘密を知る…日本推理作家協会賞受賞作「海の星」他、島に生まれた人たちの島への愛と憎しみが生む謎を、名手が万感の思いを込めて描く。



「みかんの花」「海の星」「夢の国」「雲の糸」「石の十字架」「光の航路」の六篇を収録。
それほど、イヤな話はありませんが。ミステリーあり、どんでん返しあり、どの短編も面白かった。ジャンルがどうのこうのではなく小説として面白い。…7点。

「満願」 米澤穂信 読了!

2019年10月10日 18時08分52秒 | 作家 や行
「満願」 (新潮文庫) 2019.10.10読了。
米澤 穂信 (著)

「もういいんです」人を殺めた女は控訴を取り下げ、静かに刑に服したが…。鮮やかな幕切れに真の動機が浮上する表題作をはじめ、恋人との復縁を望む主人公が訪れる「死人宿」、美しき中学生姉妹による官能と戦慄の「柘榴」、ビジネスマンが最悪の状況に直面する息詰まる傑作「万灯」他、全六篇を収録。史上初めての三冠を達成したミステリー短篇集の金字塔。山本周五郎賞受賞。



「夜警」「死人宿」「柘榴」「万灯」「関守」「満願」の6編からなる短編集。どの作品もそれぞれ面白いが、頭抜けて「満願」が面白かった。…6点。